40代後半会社員、定期預金に200万円あります。このままにしていいのでしょうか?
Aさんは40代後半の会社員です。余剰金として200万円の定期預金があり、定年退職に向けて資産運用したほうがいいのではと考えています。しかし、定期預金は元本の目減りがなく、それならそれで安心だとも……。どのような選択肢があるか、FPがアドバイスします。
『守るお金』と『攻めても良いお金』
手持ち資金はその役割によって、「生活のための資金」「使用予定が決まっている資金」「緊急時のための資金」「余裕のある資金」の4つに分類されます。 「生活のための資金」は、日々の生活に必要なお金です。「使用予定が決まっている資金」は教育費や家のメンテナンス費用など今後10年以内に使う予定が決まっているお金です。将来の支出のための貯蓄もこれに該当します。 「緊急時のための資金」は特定の用途は決まっていないけど、急な出費が発生したときの備えとしても用意したほうがいいお金です。目安としては生活費の3ヶ月~1年分ぐらいでしょうか。 以上は最低限確保しておかなければならないお金です。そのため、安全に元本保証のある金融商品に預けておく必要があります。つまり、『守るお金』としてグルーピングされます。 一方で、これらに該当しないお金が「余裕のある資金」です。余剰金として位置づけます。「投資」をしてもいいお金です。いわゆる『攻めても良いお金』といえるでしょう。ただし、投資の知識やリスクの許容範囲は個人差がありますので、その人の事情に合わせた投資の方法を選択することが重要です。 今回の事例のように、将来のための資産づくりを考えていて、資産運用は初めてという場合には「元本の目減りを極力抑えたローリスクな運用を心がけること」「10年から20年と時間をかけて資産を増やしていくこと」を優先とした投資を考えても良いと思います。
「投資」とは中長期的視点で資産の成長を目指すこと
投資に似た言葉で「投機」というものがあります。「投資」と「投機」は何が違うのでしょうか。一発狙いで大きな利益を狙うのが「投機」です。一方で中長期的視野に立ち、リスクを抑えながら資産の成長を目指していくものが「投資」です。 例えば、200万円を15年後に400万円にするために、年利5%の複利で運用が期待できる金融商品を購入することも「投資」です。また、住宅購入資金の頭金として10年間で1000万円を貯める目標を立てたとします。単純に考えると1000万円÷10年=100万円ですから、毎年100万円を積み立てれば良いということなります。 一方で、投資という視点で考えた場合、年利5%の複利で運用すれば毎年80万円(注)の積み立てで1000万円を貯めることもできます。これも中長期的視野にたった資産の形成の仕方です。つまり「投資」です。 (注)1000万円×0.08(10年年利5%複利の減債基金係数)で計算