タイが23種の賭博を合法化 ムエタイや闘牛…カジノ解禁への下準備か
【バンコク稲田二郎】タイ政府は、カードゲームや伝統格闘技「ムエタイ」の勝敗予想など23種類の賭博を合法化した。ペートンタン政権はカジノの解禁を視野に入れており、その下準備とみられている。 【写真】最年少でタイの首相に就任したペートンタン氏と父のタクシン氏 10日付の官報で明らかにした。対象はカードゲーム、マージャン、射的、ムエタイや闘牛の勝敗予想など。それぞれ賭博できる時間帯が設定されている。 仏教の価値観が深く根付くタイでは、これまで公営宝くじや競馬以外は禁じられてきた。違反すれば最高3年の懲役刑や5千バーツ(約2万3千円)の罰金が科せられる恐れがあるが、ムエタイの試合会場のほか、民家でもカードゲームや闘鶏といった賭博が横行。カジノを求めて隣国カンボジアに行くタイ人も多く、資産流出が問題視されていた。 ペートンタン政権は観光振興の起爆剤としてカジノの導入を模索している。賭博合法化はカジノとの整合性を図るためで、地下経済への課税も狙っているとみられている。