中谷潤人「バンタム級にこだわらない」井上尚弥との夢対決へ階級アップも「実現近くなっている」
プロボクシング3階級制覇王者でWBC世界バンタム級王者中谷潤人(26=M・T)が、4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋)とのビッグファイトについて「実現が近くなっている」と明言した。2日、在住する神奈川・相模原市の緑区合同庁舎を訪れ、本村賢太郎市長や市民に2度目の防衛成功を報告した。 10月14日に東京・有明アリーナで、プロ77戦でダウンやKO負けが1度もなかった同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(30=タイ)に6回TKO勝ち。圧倒的な勝利に1階級上の井上との無敗対決の機運が盛り上がった。この日、本村市長も「バンタム級4団体を制覇して、期待する方(井上)とやってくれる日がくるのでは」と期待した。 8月に契約する米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOが「うまくこのままいけば来年、井上-中谷戦が日本で歴史的に大きな試合になるでしょう」と発言。このコメントを皮切りにボクシングファンの間でも25年中の井上-中谷戦を期待する声が高まった。 井上も10月21日、都内でのテレビ収録後、中谷の名前こそ出さなかったものの、フェザー級へ転向する前を想定し「パウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ボクサーのランキング)の1位になりたい若者がいるので、その若者が(スーパーバンタム級に)上がってくるのを待つしかないかなと」と、対戦に前向きな発言をしていた。 このコメントを受けて、中谷は報告会後「目標のPFP1位に向けて、強さをもってやっていけば、そこにつながると思う。(井上が)反応してくれたので、ファンの期待もより強くなったと思う。実現が近くなっている」と語った。 次戦に計画されていた前WBA同級王者・井上拓真(大橋)との統一戦は、先月13日に井上が堤聖也(角海老宝石)に判定負けして防衛に失敗したため、王座が交代したため立ち消えになった。「強さを求めていく上で、バンタム級にこだわる必要もない。減量もきつくなっている。ベストパフォーマンスができる階級でしっかり戦っていきたいと思っている」と中谷は4団体統一にこだわらずに、階級を上げる可能性も示唆。夢の対決が一気に現実味を帯びてきた。【首藤正徳】