AIによる性的な偽画像作成サイトへのアクセス、世界3番目1800万回…被害拡散の温床
生成AI(人工知能)で性的な偽画像「ディープフェイク」を作成できるサイトへの日本国内からのアクセス数が、11月までの1年間で1800万回超に上り、米国、インドに続き世界で3番目に多かったことが読売新聞の調査でわかった。実在の人物の性的な偽画像が作られ、SNSで拡散される被害は国内外で増えており、こうしたサイトが温床となっているとみられる。専門家は日本でも被害を防ぐための法規制の必要性を訴える。 【グラフ】ランキング…性的「偽画像」作成サイトへのアクセスが多かった国
読売新聞は、性的な偽画像を作成できるとうたったサイトを41件確認。サイト分析会社「シミラーウェブ」のツールを使い、41サイトの昨年12月~今年11月の国別アクセス数を調べた。
その結果、米国が約5973万回で最も多く、インド約2457万回、日本約1843万回、ロシア約1759万回、ドイツ約1686万回と続いた。日本の月平均アクセス者数は約41万人で、8割がスマートフォンからだった。
これらのサイトは、実在する人物などの画像データをアップロードすると、服を脱いだように加工できる。利用説明は主に英語やロシア語で、日本語のサイトもある。半数以上は今年に入って公開されたとみられる。
こうしたサイトの増加に伴い、無断で偽画像・動画が作られ、拡散される被害が増えている。米セキュリティー会社「セキュリティーヒーロー」の調査では、2023年にネット上で確認されたディープフェイク動画は、19年の5・5倍の9万5820件に上り、うち98%が性的動画だった。被害拡大を受け、海外では法規制の動きが強まっている。
国立情報学研究所の佐藤一郎教授(情報学)は「安易に性的な偽画像を作らせないよう、日本も法規制の検討や加害者を生み出さないための情報リテラシー教育が必要だ」と話す。