北陸新幹線延伸は「100年に1度の好機」、福井県が取り組む観光の課題解決から新コンテンツ開発まで取材した
地域のコンテンツ造成やマネジメントでも積極支援
JRグループは、北陸新幹線延伸を受けて、2024年10月から12月にかけて福井県、石川県、富山県で「北陸デスティネーションキャンペーン」を展開する。1年前となる2023年10月から12月にかけては「プレキャンペーン」も展開した。 福井県および福井観光連盟は、このキャンペーンに向けて、着地型体験コンテンツを拡充する目的で事業者を支援している。2023年度はすでに7件を補助。例えば、敦賀の昆布問屋ではとろろ昆布の製造・試食体験、三国港では地元の旅館とタイアップした「カニの夕ぜり」体験などのコンテンツ造成を支援したという。 観光DXを推進している福井県観光連盟観光地域づくりマネージャーの佐竹正範氏は、「新幹線の試運転が始まってから、民間事業者からデータに関する問い合わせが増えてきた」と明かす。連盟では、「どこから、誰と来ているのかの実態を把握することが大切」との視点から、県内90エリア340ヶ所の施設でQRコードを置き、アンケート調査を実施。その結果をオープンデータ化している。(この取り組みについては、後日詳報する。) また、そのアンケートではエリアごとの満足度も調査。「観光施設には、自分のエリアの満足度を確認するようにお願いしている。なかには辛辣な意見もあるが、本質的な指摘もある」と佐竹氏。新幹線開業に向けては、各エリアで満足度を高めていく取り組みが必要になるとの考えを示した。 福井県では今後、東京や関東でプロモーションを展開するほか、北関東の新幹線沿線の駅で物産展などを開催するなど、福井県の露出を高めていく。「(開業に向けて)地元をもっと盛り上げていかないと」と鈴木氏。佐竹氏は「新幹線が走り出せば、県内でもホテルなど民間の投資も動くのではないか」と期待をかける。 「100年に1度の好機」を掴んで、福井県の観光は変わるのか。今後の動きに注目だ。 聞き手:トラベルボイス編集長 山岡薫 記事:トラベルジャーナリスト 山田友樹 取材協力:福井県
トラベルボイス編集部