ひろゆき、中野信子と脳を科学する③ 人は外見で判断されている! その理由を脳科学で分析【この件について】
ひろゆきがゲストとディープ討論する『週刊プレイボーイ』の連載「この件について」。脳科学者の中野信子さんをゲストに迎えての3回目です。やはり、人は見た目で大きく判断されるようです。その理由を中野信子さんが、脳科学で分析します。そして、モテる顔が時代によって違うのも、ある理由からだそう。その理由とは? 「美人やイケメンの基準が一定周期で変わる理由について、私なりの仮説があります」と語る中野信子 *** ひろゆき(以下、ひろ) よく「美人とイケメンは得をする」といわれるじゃないですか。僕は、そのために美容整形するのは反対だったんです。でも、それが最近変わりつつあるんですよ。というのも、整形手術を受けた人のほうが圧倒的に社会で成功しやすいですよね。 中野信子(以下、中野) 興味深いアメリカの研究結果があります。刑務所から釈放される囚人をふたつのグループに分け、一方には整形手術を施し、もう一方には何もせずに釈放して、再犯率を追跡調査したんです。 ひろ アメリカらしい大胆な実験ですね(笑)。 中野 で、整形手術を受けなかったグループは刑務所に戻る確率が高く、整形手術を受けたグループは再犯率が低いという結果になりました。 ひろ やっぱり、外見が社会適応に大きな影響を与えるんですね。 中野 そうですね。社会には特定の外見の人は悪いことをするだろうという偏見が存在します。いわゆる悪人面や信頼できなそうな顔立ちだと、「この人は嘘をつくに違いない」といった先入観を持たれやすい。 ひろ そして、そういった偏見が本人の行動にも影響を与えてしまうわけですか。 中野 はい。真面目に生きようとしても外見で判断されてしまう。すると「どうせ犯罪者扱いされるなら、本当に犯罪をしたほうが得かもしれない」という考えに至りやすくなる。整形手術によってそういった偏見を取り除くことができれば、本人にとっても社会にとってもメリットがあるといえるでしょう。 ひろ 理論的には正しいんですけどね(笑)。 中野 この考え方が一般的に受け入れられるかどうかは別の問題ですよね。むしろ、真面目に主張すると私たちは変人扱いされるでしょうね(笑)。 ひろ でも、実際問題、人の外見が与える印象の影響力は侮れないですよね。就活とかにも影響するでしょうし。 中野 そうですね。しかも人事採用担当者に限らず、人を選ぶ側の人間は自分が顔で選んでいるとは思っていないんです。 ひろ でも「この人は真面目そうだから採用した」「信頼できそうだった」みたいな理由づけはよく聞きますよね。 中野 これが人間の厄介なところなんです。