【BCクラシック】日本調教馬初制覇へ!フォーエバーヤングが本番コースで1馬身先着
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)29日(日本時間30日)=山口遥暉】GⅠ・ブリーダーズC諸競走(日本時間11月2、3日)に向けての追い切りがデルマー競馬場で行われた。クラシックで日本調教馬初Vを目指すフォーエバーヤングはダートコースで1馬身先着し、順調な仕上がりをアピール。同競走で昨年2着のデルマソトガケはダートコースの一番時計をたたき出し、大駆けムードを漂わせている。 春の悔しさを、晴らしてみせる。米国競馬の祭典に向けて、フォーエバーヤングが本番と同じダートコースでリハーサルを披露。海風を浴びながら、坂井騎手は丁寧な口調で切り出した。 「非常に順調にきています。やりすぎず、やらなすぎず、直線だけしっかり反応させました。予定通り、いい追い切りができました」 薄い雲に覆われた午前8時、日本のスーパースターが姿を現すと、報道陣はシャッター音の大合唱で出迎えた。道中は先導役のエコロアゼル(栗・森秀、牡2、BCジュベナイル出走)を5馬身ほど追走。コーナーで加速して一気に差を縮めると、場内のボルテージはさらに上がった。最後は内から堂々と1馬身抜け出し、5ハロン64秒0でフィニッシュ。見守った矢作調教師も「見た目よりも時計が出ているのが素晴らしい。あの馬らしいなと思いました」と目を細める。 前走のジャパンダートクラシックは横綱相撲で完勝。ただ、中間に2度の熱発があり、「100%ではない状態」(矢作師)だった。今回は22日の現地到着後、日に日に上昇ムード。鞍上も「1度使われた上積みはあります」と好気配を感じ取っている。 チーム・YAHAGIの原動力は、勝ち馬からハナ、ハナ差の3着に終わったケンタッキーダービーの苦い経験だ。レース後に「ただひと言、悔しいです」と声を絞り出した指揮官は、再度の渡米へ向けてレベルアップに腐心。「アメリカの競馬に対応するためには、パワーアップした体が必要。そこを意識的にやってきました」と本場仕様に鍛え上げた。 「(クラシックは)ダートの競馬の最高峰ですし、少し前まで日本の馬が到達できるところではなかった。何とか到達したい」