政府は円の押し上げ介入を実施か
政府と日本銀行の連携が再び確認されるかに注目
今回為替介入が行われた場合でも、それで円安の流れを大きく変えることは難しい。為替介入は時間稼ぎでしかないからだ。FRBの利下げ観測が再び強まるなど、米国側の環境が変わらない限り、円安傾向は続きやすい。 ただし、日本政府の介入に加えて、日本銀行が金融政策を判断する上で、為替動向に配慮するなど、政府と日本銀行の連携強化が確認されれば、円安抑制効果は一定程度期待できるだろう。先般の日本銀行の金融政策決定会合及びその後の総裁記者会見で、円安阻止に向けた政府と日本銀行の連携への期待は大きく後退してしまった。日本銀行が再び連携を強調する情報発信を行うかどうかが次の大きな注目点となる。 政府は当面は為替市場を静観するだろう。再び1ドル160円前後に円安が進むまでは、為替介入は見合わせるのではないか。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
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