「背水の陣」で発表した曲がヒット ボカロP吉田夜世さんのキャリア 会社員2年半「いよいよ…」
YouTubeでの再生回数が2000万回を超え、ニコニコ動画でも大きな話題を呼んでいるボカロP・吉田夜世(よしだ・やせい)さんの「オーバーライド」。吉田さんは会社員を経て、ボカロPの道を歩んでいますが、この曲は退職から1年以上が経った頃に「背水の陣で作った」ものだといいます。20代のボカロPのキャリア観について、聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり) 【動画】2000万再生超「オーバーライド」 「限界まで足掻いた人生は…」
2000万再生超え「オーバーライド」
ボカロPの吉田夜世さんが昨年11月に発表した「オーバーライド」は、アップテンポな曲調の一方で、サビ部分で「限界まで足掻いた人生は想像よりも狂っているらしい」と歌われるように、少しダークな雰囲気も漂う曲です。 YouTubeで「オーバーライド」と検索すると、替え歌にしたものや、ボイストレーナーによる「歌ってみた」、MVのイラストをアレンジしたものなど、二次創作が多く生まれていることがわかります。 吉田さんは20代。「オーバーライド」はボカロPとしての活動に専念し始めてから約1年後のヒットでした。
プログラマーとして一度は会社勤め
吉田さんは大学卒業後、2年半ほどプログラマーとして会社に勤務していました。 高校生の頃は軽音楽部、大学では軽音楽部およびアカペラサークルに所属し、大学4年生でDTM(パソコン上で行う音楽制作)を始めました。大学卒業後、すぐに音楽で生活しようとは思っていなかったといい、就職活動は「まっとうにしていました」。 「ゆくゆくは音楽で生活できるように、会社員としての収入を音楽で上回ることができたタイミングで退職しよう」と計画を立てた上で、IT系の企業に就職。プログラマーとして働き始めます。 一方、入社2カ月目に、音楽系の動画のアップロードを始めます。最初は歌のない楽器だけで作られたインスト曲や、「歌ってみた」を投稿してみたり――。 「ボカロPになることを見据え、始めたばかりの時期の投稿は、DTMのソフトの使い方に慣れたり、音楽知識を深めたりすることを目的にしていました」 音楽知識を深めるだけではなく、ボカロ界隈の分析も並行して行っていました。 「ビジネスも視野に入れていたのでので、トレンドもみていました」