今年の季節は1カ月遅れ? 富士山ようやく初積雪も…高温傾向はまだまだ続く
記録的な猛暑の影響はまだ続いているようだ。 6日、富士山頂上の静岡県側で、今秋初めて積雪している様子が確認された。山梨県の甲府地方気象台からは積雪が確認できず「初冠雪」の発表はおあずけとなったが、積雪は6日時点ですでに平年より35日、昨年より32日遅れだ。 紅葉期に備えオーバーツーリズム対策に本腰 日本屈指の観光地「京都・嵐山」の取り組みとは 同じくなかなか雪化粧が見られなかったのが、北アルプス。こちらも6日、例年より1カ月遅れでようやく初雪が観測された。 この「1カ月遅れ」というのは、冬の味覚にも見られている。宮城県は先月28日、今季のカキ出荷を解禁した。例年は9月29日に解禁されるが、海水温が高くカキの成育が進まなかったため、ひと月ほど出荷が後ろ倒しになった。 今年は残暑が厳しく、なかなか涼しくならなかった。どうも季節が「1カ月」くらい後ろ倒しになっている気がする……。そんな疑問について、ウェザーマップの気象予報士・原田雅成氏はこう話す。 「やはり今年の秋は、平年より暖かいといえます。東京の天気を例に取れば、11月前半の一日平均気温は例年14.3度に対し、今年は17度です。半月から20日ほど、季節が後ろにズレているといえます。富士山などの初雪が遅れたのも、その影響でしょう」 今夏は異常気象により連日猛暑日となった。こうした高温傾向が、秋まで続いているようだ。 「北の寒気と南の暖かい空気の境界線で吹く偏西風が、例年と比べてなかなか南下してきません。その影響で、日本が暖かい空気に覆われたままになっているのです」(原田雅成氏) ■来月から気温は急降下 今季は冬も暖かいのか。 「12月に入ると、冬型の気圧配置が強まり、一転して気温が下がります。特に西日本や東日本は、寒気の影響が強まる時期があり、例年より寒くなることが予想されます。ここ数年は暖冬が続いてる分、体感ではより寒く感じるでしょう」(原田雅成氏) ようやく酷暑の夏が終わったかと思えば、短い秋が一瞬にして過ぎ去り、すぐに寒さの厳しい冬が来る。まさに振り回されっぱなしだ。