「人事部」「総務部」どちらが出世の近道?年収や業務内容も比較してみた
企業にはさまざまな部署がありますが、その中でも「人事部」と「総務部」については、違いがよく分からないという人もいらっしゃるかもしれません。 人事部と総務部はひと括りにされやすい部署ですが、厳密にはどのような違いがあるのか、確認しておくといいでしょう。 本記事では、人事部と総務部の平均年収や、それぞれの業務内容を比較するとともに、どちらが出世コースといわれているのか詳しく解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
人事部と総務部の年収はどのくらい?
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」では、人事事務と総務事務はいずれも「庶務・人事事務員」に該当します。令和5年の調査結果にて「庶務・人事事務員」の年収を企業規模別にみた場合、表1のようになります。 表1
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成 企業規模によって平均年収に差はありますが、400万~500万円台の人が多いと考えてよいでしょう。
人事部と総務部の業務内容を比較
人事部と総務部の業務内容について、厚生労働省 職業情報提供サイトjobtagの「人事事務」「総務事務」を基に、それぞれ詳しく解説します。 人事部は、従業員の人事管理にかかわる業務を行う部署で、具体的には、採用や配置・異動・昇進・退職などの事務手続きがおもな仕事になります。また、勤務状況の管理も行うため、労働時間や休暇日数、有給休暇の取得状況を把握するのも業務の一つです。さらに、タイムカードなどと照らし合わせて、給与支払額の算出や確認も行います。 一方、総務部では、文書の整理や保管・社内外からの問い合わせ対応・社内規定の作成など、幅広い業務を担当します。防災訓練や社員旅行の手配・イベントの企画などが、業務範囲に入る場合もあるようです。また、勤務表のチェックや出張の手配などを行うこともあります。
人事部と総務部はどちらが出世コースといわれている?
「人事部は出世コース」といわれることがあるようです。 理由としては、「採用を任される」部署であるためです。採用活動では企業の顔として、人材の見極めを行うため、安心して任せられる人のみが「人事担当者」となります。 また人事部は、上層部とのやり取りも多い傾向にあります。そのため、上層部の目にとまる機会が多くなります。これも、人事部が出世コースにつながりやすいといわれる理由の一つでしょう。 コミュニケーション能力を向上させるため、また人材育成へのかかわりを増やすために、出世させたい社員に人事業務を積ませる企業もあるようです。 人事の経験を積むことで、想像力や実行力が身につき、マネジメントスキルも習得できます。人事部は、出世コースに乗りたい人にとって、多くのメリットを得られる部署といえそうです。