「ベントレー」が新型“コンチネンタルGTスピード”を発表 本国幹部に聞く、自動車におけるラグジュアリーとは
ダイバーシティー&インクルージョンを積極支援
――ラグジュアリーライフスタイルブランドとして、未来に向けて描く姿は
ウェイン:ブランドが取り組んでいることは、ファッションの世界でも見られるように、買ってくださったお客さまと価値観を共有すること。われわれは2019年に創業100周年で立てた「Beyond100」戦略のもとに未来へと進んでいる。そのなかで「ベントレー」は「サスティナブルなラグジュアリーモビリティのリーダーになる」という目標を掲げていた。6年前には工場をカーボンニュートラル化した。そしてさまざまなリサイクル活動を行っている。排気ガスを出すクルマからハイブリッド化も進めており、今回の新型車両ではCO2排出量を10%にまで削減した。また、フォルクスワーゲングループの他のブランドと協力して進めていることだが、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減にも取り組んでいる。同時に、コミュニティーに対する貢献も進めている。「ベントレー」の本社があるのはイングランド北西のクルーという場所で、決して裕福な地域ではない。ここでは「ベントレー」が雇用主として最大の会社であるという意味でコミュニティーへのサポートも進めている。さらに、10社のパートナーと環境財団を設立し、数百万ポンド(数億円)を寄付した。ダイバーシティー&インクルージョンの活動も社内外で進めている。
――ダイバーシティー&インクルージョンにベントレーでは積極的に取り組み、その成果を定期的に発信している。その狙いは。
ウェイン:2つの理由がある。それが正しいことだと信じているからだ。これまで買ったことのないお客さまを引きつけようと思ったら、そのような方々にとっても「ベントレー」が大事な存在でなければならない。そのためには正しいことをしないといけない。
そしてもう一つは、経営の観点だ。多様な人材、多様な考え方を受け入れることで会社を変える助けにしようという狙いがある。4年前には私の提案から地元のプライドフェスティバルを支援した。レインボーカラーにラッピングしたクルマも提供した。このような勇気ある発信はベントレーとして初めてだったので反響は非常に大きかった。LGBTQの社員も勇気を得て、自分たちも関わりたいと名乗り出た。いまでは社内に5つのインクルージョンに関するネットワークがある。1つはプライド系のネットワーク、そして女性活躍、さらに精神的に疾患を抱える人のネットワーク、4つめが多様な民族のネットワーク、5つめが、軍人、警察官出身のネットワークだ。それぞれのミッションは、4500人の社員にインクルージョンを啓蒙して伝えること。現在ではこのネットワークに700人の社員が関わっている。D&Iのアクティビストの招へいやLinkedinなどの公共に使えるチャネルで、自分たちの活動を発信したことにより、ベントレーの求人への応募における女性比率がかなり増えた。