「ベントレー」が新型“コンチネンタルGTスピード”を発表 本国幹部に聞く、自動車におけるラグジュアリーとは
――「ベントレー」のフラッグシップである“コンチネンタルGT”がアップデートされた。4世代目となるということだが、外見上では先代からの大きな変化を控えたように見受けられる。これまでのモデルと最新の4世代目の違いは。
ウェイン:パワートレインを電気とガソリンエンジンのハイブリッドとしたことにより、車両の68%を占める部分が新しくなっている。そのほとんどは目に見えないところだが、電気モーターを搭載しバッテリーを積むには車両の内部で大幅な改良が必要だった。エクステリアデザインでは主にフロントやリアに変化を加えている。“コンチネンタルGT”にはいくつかのモデルがあり、この“スピード”はパワーにおいてトップにあるマシンであり、パワーに焦点を当てたモデルを最初に発表したという点が過去のモデルとは異なっている。
ニコ・クールマン=アジアパシフィックリージョナルディレクター(以下、ニコ):“コンチネンタルGT”は私達にとってのアイコンである。アイコンというのは劇的には変わらないものと考える。今回は劇的な変更は加えていない。というのもこれまで21年にわたりお客さまに愛されてきたモデルであり、既存のお客さまのニーズに応えることも重要だと考えるからだ。もちろん、これまで「ベントレー」に乗っていない人にも魅力的な充分新しいデザインに仕上がっている。あくまでも“コンチネンタルGT”はアイコン的モデルなので、われわれも慎重に取り扱った。
――自動車におけるラグジュアリーのひとつの傾向として、グランドツーリング(長距離のクルマによる旅)という用途に注目が集まっていることがいえる。グランドツーリングを関する“コンチネンタルGT”はこの領域におけるユニークな存在ではあるが、どのような優位性を持つと考えているのか。
ウェイン:デイリーなスーパーカーであることだ。
遠藤:日本でいうとグランドツーリングは「ベントレー」の出発点。移動という面で特にユーザビリティが高いことが特徴だ。そしてウェインが言うように汎用的でもある。長い距離を走り、その時間がなんて楽しいんだろうと感じる快適さが「ベントレー」にはある。お客さまにヒアリングすると「『ベントレー』は5000キロ乗っても疲れない」という声もあった。出張やロングドライブでドライブ、帰りはクルマなんて乗りたくない、電車や飛行機で帰ろうと思うような距離でも「ベントレー」なら疲れを感じることなく、むしろ過ごした時間が楽しいとおっしゃるお客さまがいる。「ベントレー」が持つグランドツーリングの特徴だ。クルマの中にいる時間が楽しく、快適で、そして一緒に過ごした方々との時間が忘れがたいものになり、また乗りたいと思う。それが「ベントレー」の大きな魅力だと捉えている。