悩んだ腕誇りに、競泳銀の窪田 「たくましくなった」と母
パリ・パラリンピック競泳男子100m背泳ぎの窪田幸太(24)は、生まれつき左腕に障害があり右腕の力を頼りに泳ぐ。深く悩んだ時期もあったが「世界で僕にしかない腕」を誇れるように。母純子さん(55)は「一番心配していた子が一番たくましくなった」と語る。決勝は力強いキックで銀メダルを獲得した。 プールデビューは生後半年からのベビースイミング。小学5年のころ、本格的にパラ競泳の道に進んだ。指導した亀井恭平さん(72)は、すぐに素質を見抜いた。「下半身が強く、キックが全然違った」 純子さんが成長を感じたのは、日本体育大水泳部に入ったころ。弱音を漏らしながらも厳しい練習に耐え、在学中に東京大会に出場。5位だったが、選手村で同部屋の鈴木孝幸(37)らの活躍に「メダルを取りたい」との思いを強めたようだった。 「世界で戦ううちに、自分と同じ形の腕の人は1人もいないって気付いた。それってかっこいいことだと思えるようになった」と窪田。コンプレックスだった「違い」は自信の源に変わった。