関西初の熟成鮨専門店クラウドファンディング方式で開業
関西初の熟成鮨専門店クラウドファンディング方式で開業
関西初の熟成鮨専門店が市民投資家から小口資金を調達するクラウド・ファンディング方式で1日の開業にこぎつけた。開業を前に投資家らを招いて試食会を開催。新たなトレンドを先取りする飲食ビジネスを、市民投資家が応援する時代が訪れようとしている。
新鮮活魚を熟成して旨味を引き出す
この店舗は熟成鮨専門店「利休」。マリブ食堂などを手掛ける飲食店運営会社マリブ(本社大阪市)にとって、クラウド・ファンディングによる開業は、今年2月のアナゴ専門店「穴子家 Noresore(のれそれ)」に次いで2店舗路。「穴子家」は大阪市福島区のJR福島駅前の飲食街にあり、「利休」は路地をはさんで「穴子家」の向かい側に出店した。 マリブ社長の浜口太志さんは兵庫県淡路島出身。祖父が漁師をしていたこともあり、淡路産の魚介類を世に送り出すことをライフワークにしている。首都圏の飲食シーンで、熟成魚料理が人気になりつつあることをキャッチ。淡路産の鮮魚を使い、関西地区で熟成鮨専門店の開業を決意した。 浜口社長は「熟成に適しているのは天然の鮮魚だけ。淡路の昼網で獲れた鮮魚を夕方までに届けてもらい、すぐにさばいて1日から数日間熟成させる。適切な条件で寝かせて熟成させることで、魚本来の旨味を引き出すことができます」と話す。
投資した企業の成長を見守る楽しさ
クラウド・ファンディングは、近年注目の資金調達方法。事業会社が仲介会社を通じて、開業に伴う事業資金などを、広く一般投資家から募集できる。 設立間もない新進企業の場合、金融機関からの借り入れがたやすくない中、インターネット上などでビジネスプランをアピールすることで、一般投資家の支持を得て事業資金を確保できるのが、大きな魅力だ。 一方、一般投資家は、商品提供や限定イベント参加などの投資家特典サービスを受けられる他、自身が投資した企業の成長を見守っていくという楽しみができる。 「利休」開業に際し、500万円の資金調達を計画したところ、募集開始5日間で満額の調達に成功。投資額に応じて3年間商品券を提供する。投資家は40代の現役世代が中心で、「穴子家」に続いて投資したリピーター投資家も少なくない。