天理の4番・内藤大翔 元Jリーガーの父譲りの勝負強さ センバツ
第94回選抜高校野球大会は第4日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、天理(奈良)は星稜(石川)に延長戦の末、4―5で敗れた。内藤大翔三塁手(3年)は十回に同点の適時打を放ち、4番の役割を果たした。 【過去には小芝風花さんも】歴代センバツ応援イメージキャラ ◇ 元Jリーガーである父親譲りの勝負強さを土壇場で発揮した。 1点を追う十回2死一、二塁。星稜の右腕・武内のスライダーに2球で追い込まれた。焦っていると感じ、チームメートがいるベンチを見ると、声をからしながら鼓舞する9番・重舛の「ここで打つのが4番やぞ」の声が耳に入り、落ち着きを取り戻した。3球目も同じスライダーが来たが、ボールの軌道は脳裏に焼きついていた。体を沈めながら外角球をうまくバットに乗せると、打球は左前へ。何度もガッツポーズをした。 父はサッカーJ1の鹿島などで活躍した名ディフェンダーの就行(なるゆき)さん(54)。自身も小さい頃はソフトボールとサッカーをしていたが、練習が重なるようになると楽しかったソフトボールを選択。中学で硬式野球を始め、父とは違う道を選んだ。 父と最後に話したのは2月中旬。伝えられた言葉は「チームのために思い切ってやれ」だった。4強入りした2021年のセンバツでもクリーンアップの一角となる3番を務めた実力者。今回もタイムリーを放ち、チームの得点には貢献したが、今回は1勝もできなかった。父からは「勝負どころにこだわれ。負けて誇れるものはない」と教えられている。伝統校の4番として、勝負師の宿命を引き継いでいく。【藤田健志】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。