山田幸代×北川愛莉対談「社会人経験がスポーツ選手としての生き方にポジティブな影響を与える」
社会人経験は将来の夢にポジティブに作用する
北川「私は仕事とサッカーの合間にYouTubeを見たり料理をしたりしてリラックスしています。料理では栄養バランスも意識しながら、食べたいものを楽しんで作っています。得意料理はハンバーグなどの挽肉料理です。山田さんはどのように気分転換されていますか?」 山田「私は食器洗いですね」 北川「食器洗いですか!?」 山田「ええ。英語を全くできない状態でオーストラリアに行ったので、英語で話しかけられることがすごくストレスで……チームメイトとの会話から逃げるために、ご飯を食べた後に全員分の食器を持っていって洗うことで一人になっていたんです。それが習慣化してしまって、今ではリラックスタイムの一つですね。お皿洗いをしたいから料理をしている部分もありますよ」 北川「私も世界で活躍できる選手になりたいので、言語の勉強をしなくてはと思っているのですが、なかなか……。まずは行く国を決めないと学ぶ言語も決められないですよね。いつか海外に行けるように頑張ります!」 山田「チャンスがあったらぜひ行ってください。視野が広がりますし、学びの深さが違いますよ。そして、会社の方や周囲の方からのサポートに心の底から感謝すると思います。サッカーを通して何を成し遂げたいかを考えた時に、恩返ししたい場所があるというのは自分自身をポジティブにしてくます。目標にしている選手はいますか?」 北川「具体的にこの人というのはありませんが、常に周りを見ながら、チームにいるだけでその場の雰囲気が明るくなるような選手に憧れます。会社では、私がいると職場が元気になると言ってもらえているので、その目標に少しずつ近づけているようでうれしいです」 山田「その場を明るくできる人がいるのといないのではチームのあり方に大きく影響しますからね。仕事とサッカーの両立は大変だと思いますが、怪我をしないように頑張ってくださいね」 北川「ありがとうございます。私も山田さんの今後のますますのご活躍を楽しみにしております」 (取材・文:巖 朋江) 山田幸代(やまだ さちよ)…1982年生まれ。滋賀県出身。日本初のプロラクロッサー。2007年9月にプロ宣言し、2008年から女子ラクロス界では世界トップクラスのオーストラリアリーグに加入。オーストラリア代表に選出され数々の大会で活躍。現在は台湾ラクロスナショナルチーム監督、世界ラクロス協会の理事を兼任。育成にも力を入れている。 北川愛莉(きたがわ えり)…2001年生まれ。滋賀県出身。大宮アルディージャVENTUS所属。東洋大学体育会サッカー部・女子部では、2023年の全日本大学女子サッカー選手権決勝大会で決勝点を決めMVPに。東洋大は大会無失点で初優勝を飾った。現在は大宮アルディージャVENTUSでFWとして活躍するとともに株式会社ミライト・ワン社員として働いている。