【全国47都道府県《知事の素顔》を大公開】群馬、広島、静岡…「本物の知事」が明かす、その「頭の中」と「ひそかな野望」
知事の仕事って何なの?
いっぽう民間出身組の古参が、4期目に入った広島県の湯崎英彦知事だ。ふりだしは通産省だが、米スタンフォード大でMBAを取得してインターネット系の通信会社を起業。2009年に一念発起し、知事選に出馬した。 「自分のことは政治家というより経営者だと思っています。知事の仕事というのは、大別すると3つある。まず、県庁を率いて目標を達成すること。これは会社と同じですね。次が『代表』の機能。たとえば国の行事には県民の代表として出席するし、原爆死没者の慰霊式典でスピーチをします。最後が表彰や応援、PRなどで県民を鼓舞する役割。これらを組み合わせて、最終的に、県民の皆さんにハッピーになってもらうのが知事の任務です」 県政でもビジネスマインドを重視する湯崎知事の原体験は、高校時代の米国留学だという。 「渡米は1981年でしたが、あちらではもう一般市民がパソコンを使っていた。広島では見たこともない光景で、とても驚きました。2000年に起業したときも、まだ日本では『ネットなんて信用できない』と言われていて、『このままでは引き離されてしまう』と危機感を抱いたのを覚えています。 その後、広島の友人と会うと『地方は閉塞感が強い』という話をよく聞くようになり、せっかく広島には底力があるのにもったいない、自分ならそれを引き出せるんじゃないか、と思って知事を目指したわけです」 じつは、広島のお隣・岡山県の伊原木知事は、湯崎知事の古い友人なのだという。その伊原木知事にも今回、話を聞いた。後編記事【「永遠のライバル」岡山vs.広島に雪解けをもたらした「県知事同士の友情」…47都道府県「知事の素顔」を調べてわかったこと】でお伝えしよう。 「週刊現代」2024年12月21日号より
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