なぜ森保監督は東アジアEー1選手権のサプライズ招集を決断したのか…32歳で初招集FW水沼宏太に9年9ヵ月ぶり復帰FW宮市亮
中位や下位のチームからは、個で結果を残している選手が選出された。例えば西村と並ぶリーグ4位の8ゴールをマークし、身長185cm体重77kgとサイズもある湘南ベルマーレのFW町野修斗(22)に対して、森保監督は高い評価を与えていた。 「背後へ上手く抜け出すだけでなく、前線で起点になって攻撃をけん引している」 5月以降で6ゴールをあげた町野の活躍で、湘南も13位に浮上している。町野自身は左足首を痛めて一時的に離脱したが、直近の広島戦で復帰して初招集された。 最下位から16位に順位を上げたヴィッセル神戸からは、不振にあえいだチームをけん引するFW武藤嘉紀(29)とMF橋本拳人(28)が代表復帰を果たした。ともに2桁のキャップを持つ2人は、大逆転でのカタールワールドカップ代表入りを手繰り寄せる意味でも、E-1選手権で演じるパフォーマンスは大きな意味を持ってくる。 森保監督は同時に、6月のAFC・U-23アジアカップで3位に入ったU-21代表の抜擢も示唆していた。それがキャプテンの藤田であり、守護神の鈴木彩艶(19、浦和レッズ)であり、J1で6ゴールをあげているFW細谷真大(20、柏レイソル)となる。 以前に語っていた「未来へつなげる部分」であり、U-23アジアカップで3ゴールをあげたMF鈴木唯人(20、清水エスパルス)も開催国ウズベキスタンから帰国した後の連続欠場がなければ、初招集組に加わっていた可能性が高い。 国内組の代表常連で真っ先に思い出されるDF長友佑都(35、FC東京)とDF酒井宏樹(32、浦和)、そしてFW大迫勇也(32、神戸)に関して、指揮官は「ワールドカップを含めて経験値が高いので」とE-1選手権の選外を明かしていた。 長く日本代表を支えてきたベテラントリオに加えて、GK権田修一(33、清水)も今回のE-1選手権では選外になった。コンディションさえ万全ならば、開幕が約4ヵ月後に迫るカタールワールドカップ代表に名を連ねると見ていいだろう。 その上で、J1リーグ戦で上位につけるチームから多く招集したのは、わずか2度の練習で香港との初戦を迎える強行日程を考えたときに、同じチームの選手が多い陣容がプラスになる場合もあるからだ。実際、宮市はマリノスを通じてこう語っている。 「選出を聞いたときは正直、喜びよりも驚きのほうが大きかったですが、マリノスから多くの選手が選出されているので、コミュニケーションは問題ないと思っています」