「熱意が鹿児島にオーケストラを作った」創立50周年の鹿児島交響楽団 100回目の定期演奏会へ
南日本放送
設立から50年を超えた鹿児島交響楽団が来週、大きな節目となる100回目の定期演奏会を開きます。楽団の歴史や設立当時から所属するメンバーらの思いを取材しました。 鹿児島交響楽団で楽団長を務める新村元植さん(69)。設立当時からのメンバーです。 鹿児島交響楽団は1973年、「鹿児島にオーケストラを作りたい」と声を上げた県内の演奏家らが、県と鹿児島市から合わせて750万円の支援を受けて立ち上げました。メンバーは音楽教師や音楽を学ぶ大学生ら50人でした。 現在は大学生から70代までの90人が所属し、週に2日練習をしています。中学生からトランペットをはじめた新村さん。設立当時は大学1年生でした。 その後、高校や短大で音楽を教えながら楽団で演奏を続けて50年…。2013年からは楽団長としてスケジュールの調整などメンバーをまとめています。 (鹿児島交響楽団 新村元植・楽団長)「当時は熱意がオーケストラを作ったと感じている」「初めてのオーケストラで初めてプロの演奏家と一緒に演奏して、さまざまな助言をいただいたり、本当に貴重な思い出がたくさんある」 楽団は年に2回の定期演奏会をはじめ鹿児島オペラ協会やかごしま県民第九での演奏。鹿児島市内の小中学校でのスクールコンサートなど地元で音楽を奏でてきました。 ヴァイオリン奏者で、高校教諭だった福田正樹さん(70)も設立当時からのメンバーです。プロと一緒に演奏できるのが楽団の魅力だといいます。 (ヴァイオリン 福田正樹さん)「鹿児島オペラ協会発足の時に集まったメンバーが、解散するのは惜しいといって始まった楽団。毎年のようにオペラ、40年くらい前から県民第九をやっている。プロの音楽家のところで一緒に勉強できるから自分も楽しみだった」 楽団がかかわった最も大きなイベントの一つが2003年のナポリ公演です。 設立30年を記念して鹿児島から合唱団を含めおよそ260人が参加して、鹿児島市の姉妹都市イタリアのナポリ市でベートーヴェンの「第九」を演奏。海外にも鹿児島の音を届けました。