知られざる“鉄道王国” 東京・北区が観光協会を設立する狙いとは?
「ほかにも、地元の聖学院中学校の鉄道研究部・聖学院高等学校の旅と鉄道部、切り絵作家の稲葉祐吉さんと協力して、鉄道スポットを紹介する『北区鉄道Viewマップ』を作成しています。同マップ以外にも、親子連れを対象にした『今日は電車に会いに行こう!』という冊子も配布しています。これは、小さな子供を連れて鉄道を楽しみたいという若いパパ・ママに向けたものです。冊子には“お手洗いやおむつ替えができる場所”や“ベビーカーが通りやすい道”といった情報を盛り込んでいます。同マップはディープな鉄道ファンではなく、ライトユーザーに向けたものです」(同) これを手にしながら北区内を歩いてもらうことで、鉄道以外の北区の魅力を知ってもらうことが狙いにあります。 近年、シティプロモーションという概念は重要視されるようになっています。北区が観光協会を立ち上げる背景には、観光で区の魅力を広報するとともに最終的には定住人口の増加につなげることを考えているからです。政府はいま観光立国を掲げて観光産業の振興を後押ししています。北区の動きに注目が集まりそうです。 (小川裕夫=フリーランスライター)