東京で学童バイト、新潟で僧侶をしながら… 「昆虫芸人」が帰郷までに叶えたい夢 堀川ランプさん
春になり、入園・入学・入社と新しい生活が始まって緊張している人も多いことでしょう。緊張するのは、受け入れる側の人も同じようです。学童でバイトをして7年になる芸人の堀川ランプさんも「ナーバスになっている」と話します。どんな仕事内容なのか、聞いてみました。(ライター・安倍季実子) 【画像】仏教をフリップ芸で? 僧侶の堀川さん 寺を継ぐまでに「昆虫芸人」が叶えたい夢は… <堀川ランプ:新潟県出身。実家は寺院で、月の半分は東京で芸人、もう半分は新潟で僧侶をしているパラレル芸人。昆虫好きから大学で生物学を学び、現在は昆虫イベントへの出演、昆虫に関する書籍やweb記事の執筆・監修なども行っている。長くピン芸人をしてきたが、2023年の夏に事務所の先輩のタイセイさんと「ステーキハウス五十嵐」を結成し、コンビとしても活動している>
子どもの楽しい思い出作りのお手伝い
「この春に、僕が芸人と学童バイトを始めた7年前に生まれた子がやって来ます。自分はあの頃とあまり変わっていなくて、時間の流れの残酷さをヒシヒシと感じますね」 そう苦笑いを浮かべるのは、自治体から委託を受けた社会福祉法人が運営する学童クラブでバイトをしている堀川ランプさん。今年、芸歴7年を迎え、アルバイト歴も7年になります。 子どもの頃からお笑いが好きで、大学時代はピン芸人としてライブに出演していたそう。会社員になってからも、週末はアマチュアとしてお笑いライブに出演していましたが、2017年の「THE VERY BEST OF FREE~フリー芸人最強決定戦~」で3位を獲得したことで芸人に転身しました。 「学童バイトは求人サイトを見て存在を知りました。前職が自然教育イベントなどを開催する会社で、子どもと触れ合うことも多かったんです。それに、一応教育系ですが、バイトは免許不要ということだったので、すぐに応募しました」 もともと昆虫好きがきっかけで就職した会社でしたが、二転三転あって学童バイトを始めることになった堀川さん。「日々、子どもたちの成長を感じられるので、とてもやり甲斐がある」と話します。 「例えば、小学校1年生の頃はやんちゃで言うことを聞かなかった男の子が、3年生になった時に、僕がくしゃみをしたのを見て『僕のティッシュ使う?』とポケットから出してくれたことがありました。すごくうれしかったです」 自分の主張を通しがちだった子が、年を重ねて妹や弟が入って来て、急にクールぶって、お兄さんお姉さんになるのを見ることもあります。 子ども達には子ども達のコミュニティーがあり、それに合わせてキャラクターを切り替えて生活しているのだと感じ、昔の自分を思い出すこともあるそうです。 「うちは厳格な家だったので、小学校時代に思いっきり遊んだことがあまりなく……。長男ということもあって、色々な習いごとをしていました。だから、目の前にいる子ども達には、楽しい思い出をたくさん作ってほしいと思いますし、そのお手伝いができていたらいいなとも思います」