東京で学童バイト、新潟で僧侶をしながら… 「昆虫芸人」が帰郷までに叶えたい夢 堀川ランプさん
子どもが笑うメカニズムは…
子どもと接することで学ぶことも多く、芸人活動にも大きなプラスになっているといいます。 「ダイレクトにプラスになっているのは、『昆虫芸人』としての活動ですね。夏になると昆虫イベントの出演が増えるので、子どもと接する機会も増えます。学童バイトで学んだ、子どもにとってのちょうどいい距離感や接し方が活きています」 また、ネタ作りにもいい影響があるそうです。 「子どもは、下品な言葉や下ネタで大笑いすると思っている方は多いのではないでしょうか。実は違っていて、先生や親などの『真面目そうな人が下品なことを言う』というギャップに笑っているんです」 子どもたちは、見た目や雰囲気からその人のキャラクターをイメージしていて、そのイメージにないことをするから笑うのだと分析している堀川さん。 「子どもって周りの人をよく見ていて、その人に合ったコミュニケーションの取り方をしていたりもします。例えば、この先生には冗談は通じないとか、この先生は怒らないなどをわかった上で、接し方を変えています。だから、他の先生には丁寧な言葉を使っているけど、あまり怒らない僕にはタメ口なんだと思います(苦笑)」 「それに気づいてから、自分がどんな見られ方をしているのかが気になるようになりました。そして、僕が周りに与えているイメージにないことをネタに盛り込めばいいのだと気づきました」 とはいえ、コンビ「ステーキハウス五十嵐」は結成したばかりな上に、堀川さんが月の半分は新潟にいるため、コンビで活動できる時間も限られています。 「僕が新潟にいる時は、それぞれがネタを考えて、僕が東京に行った時にネタ合わせをしつつライブに出演しています。主催ライブもあわせると、大体7~10回のライブを詰め込んでいて、大変ではありますが、ムダが少なくて、意外と充実しています」 コンビとしての当面の目標は、東京滞在時に着実にライブをこなし、「ステーキハウス五十嵐」の名前を定着させることです。 昆虫芸人としては、昆虫をテーマにした教育番組に出演することが目標なのだそう。 「昆虫も子どもも好きなので、夏休みの昆虫特集コーナーとかに出られたらうれしいですね。あと、僧侶の方も地道にやっていきたいと思っています。新潟では、フリップ芸の要領で、仏教の教えを分かりやすく伝えるイベントなどもしています。仏教の間口を広げる活動も続けて、いつか家を継いだ時に、たくさんの人に浸透していたらうれしいですね」