中国10年国債、米国債との利回り格差が過去最大-人民元に下押し圧力
(ブルームバーグ): 中国10年国債の利回りは同年限の米国債を下回っており、この格差が過去最大に達した。人民元の下支えに取り組む中国人民銀行(中央銀行)の試練がさらに大きくなっている。
中国国債相場の上昇基調と米国債の売りが重なり、利回り格差は約300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大。資本流出リスクが増すことで人民元にはさらに下押し圧力がかかる方向だ。
こうした状況を踏まえると、当局が金融政策緩和でぜい弱な景気下支えを目指すなら、元安を容認せざるを得ない可能性がある。
バークレイズのアジアFX&新興国市場マクロ戦略責任者ミトゥル・コテチャ氏は「軟調な経済活動と低調な与信の伸びを背景に中国のデフレ圧力が引き続き利回りを下押しする一方、米国では経済活動が比較的堅調なことで利回りが高止まりしている」とした上で、「利回り格差拡大は、ドル高・元安進行の要因になるだろう」と指摘した。
公式データによれば、中国10年国債利回りは6日に初めて1.6%を割り込み、同年限の米国債との利回り格差は303bpに拡大した。
原題:China’s Widest-Ever Yield Discount to US Pressures Sluggish Yuan(抜粋)
--取材協力:Shulun Huang.
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Betty Hou