ゼンリン衝撃!『糸魚川市に“糸魚川”はない』 地元では考えてもみなかった地名の由来とは!?「5つの諸説がある」
地図情報などを提供する会社・ゼンリンが発信した「糸魚川市に“糸魚川”はない…」との投稿がSNSで話題となっている。新潟県糸魚川市の市民にとっては身近すぎて考えてもみなかった、その真相を取材した。 ■「新潟県は何地方?」 北陸?東北?関東? 新たな説も浮上? アンケート結果&新潟県庁の公式見解は…
■「川があるかと…」地理に詳しいはずの会社も驚きの事実
【ゼンリン(Xの投稿)】 「最近聞いてわりとびっくりしたこと…新潟県糸魚川市に糸魚川という川はありません」 今年9月、X(旧ツイッター)に投稿されたこの文は、地図情報などを提供する会社・ゼンリンが発信したものだ。 地理に詳しい会社の「糸魚川が流れているものだとずっと思っていた」というつぶやきに、「な、なんだってー!?」「糸魚川が存在しないなんて…」などと驚きの声が多く寄せられ、10月11日までに2万件以上の“いいね”がついた。
■どこにも無い“糸魚川"…市民「考えたこともなかった」
“糸魚川”が存在しないという事実を探るため、取材班は糸魚川市へ。 まず市民に話を聞いてみると、「ああ、ないね」「当たり前。ここに嫁にきたときから考えたことないね。糸魚川って読みづらいから、それはあったんだけど」「私も学生時代とかによく、『糸魚川に糸魚川っていう川があるんだよね?』と聞かれた」との声が聞かれた。 むしろ「こんなことが話題になるとは」と、驚いた様子だ。 次に本当に存在しないのか、糸魚川市の地図を広げてみた。探してみると、“姫川”・“能生川”などはあるが、“糸魚川”という川は見当たらない。また、街の名前で探してみても“糸魚川”は無い。 結果、“糸魚川”の文字はどこにも見つからなかった。
■史料でもまさかの「起源不明」!?市によると諸説は5つ
なぜこのような名前になったのか、謎が深まるばかりの糸魚川…さらに真相を調べるため、取材班は糸魚川市役所を訪ねた。 「(投稿は)職場の中でも話題にはなっていた」と、反響の大きさに驚くのは、糸魚川市文化振興課の学芸員・小池悠介さんだ。 すると小池さんが見せてくれたのは、現在の糸魚川市周辺の歴史がまとめられた“西頸城郡誌”という史料。70年以上前の「糸魚川町」時代の記録を見てみると、なんと“糸魚川”という名称について、”起源不明”とする文が記されていた。 それでも様々な史料を読み解くと、起源には諸説あると小池さんは言う。 市が紹介しているのは、以下の5つだ。 ▼諸説1 弘法大師(空海)が竹管に糸を巻いて川に投じたところ、たちまち魚となって泳ぎまわった。 ▼諸説2 対立する軍(どのような軍かは不明)がこの地で挑みあったので「いどみ川」から転じて「いといがわ」となった ▼諸説3 淀(よどみ)川から転化して「いといがわ」となった。その他、災害がよくおこるので「厭(いとい)川」から転化した。 ▼諸説4 イトヨ(糸魚)が市内の河川に多くすんでいたことから付いた。 ▼諸説5 古代、新羅人が日本に渡り帰化人となり、糸井と名乗り、この地に住み着いたことから付いた。