元アジア王者の木村吉光、減量失敗での1年間のライセンス停止処分明けの復帰戦で判定勝ち 「ちょっとしょっぱい試合だったかもしれない」
プロボクシングのライト級8回戦が31日、東京・大田区総合体育館で行われた。元東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック・スーパーフェザー級王者の木村吉光(28)=志成=が、ウー・ハンユン(22)=中国=に3-0の8回判定勝ち。昨年大みそかに予定されていた東洋太平洋同級王座決定戦の前日計量を減量失敗で棄権し、1年間のライセンス停止処分を受けてからの復帰戦を白星で飾った。 前半は前に出てくるウー・ハンユンの攻撃を足を使ってかわし、機を見て右ストレートを打ち込んだ。5回にはウー・ハンユンの左まぶた下をパンチで切り裂き、6回以降はプレスをかけてペースを渡さなかった。勝利者インタビューでは「ウー・ハンユン選手はとても打たれ強く、仕留めるとかラッシュをかけるとか全然できなかったし、今回はすごい反省点がたくさんあって、次に生かせるように頑張ります」と課題が残る内容に歯切れが悪かった。 昨年の大みそかに予定されていた坂晃典(仲里)との王座決定戦を減量失敗により救急車で搬送されて中止させた。日本ボクシングコミッションのルールにより1年間のライセンス停止処分が科され、復帰の際には1階級以上の昇級が義務付けられた。1年ぶりの試合は階級を1つ上げてライト級で復帰した。「本当にこの1年は長く、反省しています」と改めて謝罪。「ちょっとしょっぱい試合だったかもしれないんですけど、今後ともよろしくお願いいたします」と何とか前を向いた。 ウー・ハンユンは「フェニックストーナメントアジア最強ライト級トーナメント」初戦だった7月の準決勝で齊藤陽二(角海老宝石)に4回KO負け。再起戦だったが、決め手を欠いて初の連敗となった。 興行はインターネットテレビのABEMAで午後3時30分から独占無料生配信された。プロ戦績は木村が20戦16勝(10KO)3敗1分け、ウー・ハンユンが8戦4勝(1KO)3敗1無効試合となった。(尾﨑陽介)