「競合覚悟」のドラフト「外れ1位」に球団ごとの戦略
今年は例年以上に「競合覚悟」のドラフトだった。1位指名では宗山（明大）に5球団、金丸（関大）に4球団、西川（青学大）が2球団。唯一、ヤクルトだけが中村（愛知工大）の一本釣りに成功した。 【写真】＜一覧＞ドラフト12球団支配下指名確定選手 事前に1位指名を公表したのは広島の宗山だけ。金丸を指名した巨人・水野雄仁スカウト部長は「去年、おととしは宣言して、1球団でも引いてくれるかなと。今年は多分、引かないと思って、公言してもあまり意味がないと。公表してメリットがあるんだったら言うけど」と説明した。 「外れ1位」に球団の特色が出たドラフトでもあった。クジを外した8球団は、金丸→即戦力投手、宗山→即戦力内野手、西川→即戦力外野手と行くのがオーソドックスな考え方だが、宗山を外した日本ハムとソフトバンクは高校生投手の柴田（福岡大大濠）にシフトチェンジ。巨人は金丸から一転、高校生内野手の石塚（花咲徳栄）を指名した。 当たりクジを引き当てたのは3球団。楽天は2位で徳山（環太平洋大）、ロッテは宮崎（ヤマハ）、中日は吉田（西濃運輸）と、ここでも即戦力選手を獲得できた。理想の指名になったと言える。 ただし、今年のドラフトが成功だったのか、その結果は数年後を見るまで分からない。イメージとは違った指名になった球団でも、後に「当たり年だった」という結果になっているかもしれない。球団ごとの戦略が見えた今年のドラフトは、見応えがあった。
