「顔が倍以上に腫れて、まるでドッチボールの玉みたい」...《2代目・一条さゆり》が大やけどをした初代をみて思わず「涙を流した」ワケ
1960年代ストリップの世界で頂点に君臨した女性がいた。やさしさと厳しさを兼ねそろえ、どこか不幸さを感じさせながらも昭和の男社会を狂気的に魅了した伝説のストリッパー、“一条さゆり”。しかし栄華を極めたあと、生活保護を受けるに至る。川口生まれの平凡な少女が送った波乱万丈な人生。その背後にはどんな時代の流れがあったのか。 【漫画】床上手な江戸・吉原の遊女たち…精力増強のために食べていた「意外なモノ」 「一条さゆり」という昭和が生んだ伝説の踊り子の生き様を記録した『踊る菩薩』(小倉孝保著)から、彼女の生涯と昭和の日本社会の“変化”を紐解いていく。 『踊る菩薩』連載第99回 『ガソリン缶を抱えて「殺したろか」…従業員として真面目に働きだした元・伝説のストリッパーの壮絶な「痴話喧嘩」と衝撃の「結末」』より続く
変わり果てた姿に涙
2代目一条さゆりもすぐに、東京から府立病院に駆けつけている。その日、舞台は休みだった。 知り合いのライターから電話があり、「初代が怪我をしたらしい」と教えてくれた。ライターは2代目がそれを知らないままメディアの取材を受けた場合、恥をかくことになると思い、知らせてくれた。 知人のカメラマンに道案内を頼み、国鉄(現JR)新大阪駅で落ち合った。そのまま病院に向かい、集中治療室(ICU)に入る。 看護師は2代目を家族と思ったようで、すんなりと入れてくれた。彼女は一条の寝ているベッド横を通り過ぎようとした。そこに横になっている人を見ながら、てっきり男性だと思った。 看護師が呼び止めた。 「池田さん(一条)はここですよ」 ベッドの主は包帯に巻かれ、身体のあちこちに管が通されている。その姿をのぞき込んだ2代目は涙が出てきた。そのときのことを、こう語っている。 「顔が倍以上に腫れてしまって、ドッジボールの玉みたいになっていました。初代とは思えなかった。怖くて泣いたんです」 変わり果てた「伝説のストリッパー」の姿に掛ける言葉を探した。 「絶対によくなるから、頑張ってください」
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