「顔が倍以上に腫れて、まるでドッチボールの玉みたい」...《2代目・一条さゆり》が大やけどをした初代をみて思わず「涙を流した」ワケ
2代目の「後悔」
初代と会うのは、86年末に劇場の楽屋で対面して以来約1年半ぶりである。名を継いだといっても、踊りを教わったわけでもない。こんな形で再会してみると、もっと連絡をとっておけばよかったと後悔が募った。 初代は身体1つで大きく育てた「一条さゆり」の看板をあっさりと、未熟な自分に譲ってくれた。それなのに忙しさにかまけ、十分な感謝を伝えていない。最初は怖さから流した涙も、悔しさの涙に変わり、それが溢れて止まらなかった。 2代目は日記にこう記している。 〈芸は継いでも、私生活まで継ぐわけにはいかない。でも、心の隅では、50歳を過ぎても愛情のもつれで事件を起こしてしまうような、いつまでたっても「女」でいる初代を、少し羨ましかったりもする〉 その後、2代目は本人に代わって保険などの手続きのため一条のアパートに行った。ベランダの付いたきれいな部屋に家具類はほとんどなかった。アパートの賃貸契約が切れるため、衣類などを片付けた。一条が火だるまになったとき、彼女を助けようとしてくれた人に菓子折りを持ってお礼に回っている。 2代目がICUで一条をのぞき込む様子をカメラマンが隠し撮りしていた。2代目がそれを知ったのは、写真週刊誌が出てからだ。 「やられたと思った」 『世間がバブル景気に沸く一方で「家賃800円」の激安宿暮らし…時代に置き去りにされた《伝説のストリッパー》がたどった悲惨な末路』へ続く
小倉 孝保(ノンフィクション作家)
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