【高松宮記念】最も馬券圏内に入ったのは福永祐一元騎手 春の電撃6ハロン戦を「記録」で振り返る
上がり32秒台を唯一記録したスズカフェニックス
桜の季節となり、いよいよGⅠ戦線が本格化。今週は快速自慢が集う一戦、高松宮記念が開催される。 【高松宮記念2024 推奨馬】1200mは連対率100%、ミスプロ系は単回率163%で血統◎!外国馬の見解もあり SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 元々は『高松宮杯』として芝2000m戦だったが、1996年に1200mのGⅠになり、98年からは現在の『高松宮記念』の名称で開催されている。2000m戦時代にもハイセイコーやトウショウボーイ、オグリキャップやナイスネイチャといった名馬が勝利。現行条件となってからもキングヘイローやローレルゲレイロ、カレンチャンやロードカナロアといった名スプリンターを送り出している。今回はそんな『高松宮記念』における1998年以降の記録を振り返る。 勝ち馬として最も速い上がり3Fはファイングレイン(08年)とロードカナロア(13年)が繰り出した33.2。ファイングレインはこれがGⅠ初制覇。前年末にマイルのオープン競走で9着に敗れていたが、年明けにスプリント戦の淀短距離Sで勝利すると、続くシルクロードSも勝利し重賞馬の仲間入り。そして勢いそのままに挑んだのが08年の高松宮記念だった。 ロードカナロアは前年3着の雪辱を晴らす勝利で、スプリンターズS→香港スプリント→阪急杯に続き4連勝を達成した。上がり最速での勝利は前年1月のシルクロードS以来。この時点で3つのスプリントGⅠを制したロードカナロアは次走でマイルの安田記念に挑戦し勝利、引退後の種牡馬としての可能性を広げた。 前記2頭の上がり3Fは『勝ち馬として最速タイ』であって、歴代最速ではない。過去、上がり33.2を出した馬が7頭、33.1を出した馬は4頭いるものの、上がり32秒台を出した馬はただ1頭。ファイングレインが勝利した08年に1番人気3着となったスズカフェニックス、上がりは32.7である。 スズカフェニックスは、デビュー後3戦をダートで走り、3戦目のダ1200mで初勝利。その次走で芝2000mとガラリと条件を変え、そこでも勝利すると芝路線へ完全にシフトした。デビュー戦で9着に大敗して以降は大崩れすることなく順調に勝ち星を積み重ね、4歳9月に重賞初挑戦(チャレンジC4着)。翌年1月には東京新聞杯で重賞を初制覇すると、阪急杯の3着を挟んだのち07年の高松宮記念を制してGⅠ馬となった。 その後しばらく低迷しスプリンターズSでは9着に敗れたものの、連覇がかかった08年高松宮記念では、前年のスプリンターズS勝ち馬アストンマーチャンが急性心不全でこの世を去ったこともあって1番人気に推された。結果はファイングレイン、キンシャサノキセキの5歳馬ワンツーを見届ける3着ではあったが、ローレルゲレイロやスーパーホーネットといった他の人気馬にはしっかりと先着し、地力の高さを見せた。