それは「失敗」ですらない、プロセスが間違っている! 里崎智也スピリーグ監督インタビュー
それは「失敗」ですらない、プロセスが間違っている
── なるほど。成功者バイアスの逆といいますか。失敗を美談にしている人たちの声が大きくなりすぎているだけなのかもしれませんね。 そうそうそう。失敗談が無い成功者って、書籍化の話が来ても、書くことがないから書けない。「人生とんとん拍子でいきました!」では本にならない。 それは本人がラッキーだった可能性もあるけど、能力が高かったからというのもある。大事な局面での、選択を間違えなかったんじゃないかな。 例えば、井上尚弥氏が「挑戦していないか?」というと挑戦している。でも負けてないんですよ。 ── こういった質問をしておきながら、里崎さんが大きな失敗をしているイメージがあるわけではないのですが、ご自身の中で記憶に残っている失敗経験はあるのでしょうか。 野球なんて失敗の連続じゃないですか。だって3割しか打てない選手たちが1軍にいるんですから。打席に立っても7割は失敗していることになる。 でも、それって当たり前のことだから失敗とは言わないじゃないですか。 優勝するチームでも勝率は6割程度なんですよ。 だから、そもそも「失敗とは何ぞや?」という話でもある。 どれぐらいが失敗だと思いますか。 ── 一般的には「試験に落ちた」や「合格の基準値に達しなかった」などが挙げられる気がします。 それについては、失敗ではなく、そもそもプロセス(取り組み方)が間違っていると思いますね。 ちゃんと「やるべきことをやりましたか?」という。 富士山に登ったことない人が、エベレストに登っているみたいなもの。「そもそも無理やろ?」っていう。 ── 「無謀な挑戦は挑戦とはいわない」という言葉もありますが、まさにそういうことをおっしゃっているんですね。 そうそうそう(笑)。 ── スピリーグに関する話を伺いに来たのですが、思わぬ「人生で大事なこと」を教えていただきました。里崎さんありがとうございました!
小川翔太