それでも「ラピダス」が生かさねばならない「東芝」「TSMC日本進出」の苦い教訓
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「やっと、日本の企業経営者たちも半導体サプライチェーンの重要性に気付き始めたことが大きかった。国産化の道程はまだ長いが、以前と比べれば、隔世の感がある」――。 12月半ばのこと。数年来の動きを知る政府・経済産業省幹部(以下、A氏とする)が筆者の取材に重い口を開いた。最先端の2ナノ半導体の国産化を目指す国策会社「 ラピダス (Rapidus)」こそが、諦めずに模索してきた日本の半導体産業を復活させるプロジェクトの出発点になるというのである。 実は、A氏はかつて、断末魔に喘ぐ 東芝の半導体部門の救済 を政治的に要求され、財界の助力を得るべく奔走した。しかし、名立たる人士を訪ねたものの、その誰一人、首を縦に振らないという辛酸を嘗めた経験がある。
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町田徹