アダニGとの契約4000億円相当、ケニアが撤回-米での創業者起訴で
(ブルームバーグ): ケニアのルト大統領は21日、インフラ事業を巡るインド新興財閥アダニ・グループとの契約2件、総額26億ドル(約4000億円)相当を白紙撤回した。同社の不正疑惑が理由だという。
同社の創業者ゴータム・アダニ氏は、インド政府高官に2億5000万ドル強の賄賂を渡した罪などで、米検察当局に起訴されている。
ルト大統領は、主要空港の運営と高圧送電網の構築で、アダニ・グループが関与する「進行中の調達プロセスを直ちに中止」するよう閣僚に指示した。
同大統領は首都ナイロビでの演説で、「これまでも述べてきたが、不正について疑う余地のない証拠や信頼できる情報を入手した場合は、ためらうことなく断固たる行動を取る」とあらためて表明。今回の決定は「わが国の捜査機関とパートナー諸国から提供された新たな情報に基づいている」と説明した。
アダニ・グループのコメントはすぐには得られなかった。
アダニ・エアポート・ホールディングスは今年に入り、ナイロビの主要空港を巡る30年間の運営権18億5000万ドル相当の取得を目指していた。グループの別の部門は、ケニアにおける送電網の構築・運営で7億3600万ドルの契約を獲得している。
ケニアのジョン・カグチア議員は、「アダニ創業者が米国で起訴されたことを受け、わが国が同社との取引を継続することは実質不可能になった。もし続ければ米国からのあらゆる支援が打ち切られ、国際通貨基金(IMF)や世界銀行を含めた従来の金融パートナーシップは解消されるだろう」と地元テレビで語った。
原題:Kenya Scraps $2.6 Billion Adani Deals in Wake of US Indictment(抜粋)
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David Herbling