【ウエストランド河本太の『人生相談する側チャンピオン』】第7回 東野幸治さん!「まだ消えたくないのですが...。消えてく人ってなんで消えてくんですか!?」
東野 僕は爆笑さんとは同世代なんですよ。爆笑さんが太田プロを辞めて、3人でフリーで始めて、田中さんと光代さんがコンビニで働きながら、太田さんは何もしてなかった頃を知ってるから。太田さんは計算ができない人だから、おつりで小銭を適当に握って渡してまうやろ。で、『バカヤロー!(2 幸せになりたい。/1989年の映画)』なんかに出演しながら、また這い上がっていく。そういうやり方もあんねんなって、遠くからその活躍を見てましたから。 河本 当時ではかなり特殊ですよね。芸人の個人事務所のパイオニアだと思います。 東野 あの3人だからっていうのがいいんでしょうね。で、今では所属芸人もたくさんいて、こうやって『M-1』で優勝する芸人も出てきて、『キングオブコント』の決勝にも残ったしな。 河本 シティホテル3号室ですね。 東野 そうそう。そういうのを考えると、吉本興業も好きですけど、タイタンも好きなんですよ。しかも、こうやってやらかしても守ってくれる会社なんやろ。だからまた話が1周するけど、なんか悩みがあるなら僕なんかに聞くより、そのタイタンの3人に聞けって話ですよ。で、2人にはもう聞いたんでしょ。 河本 まあ、ちゃんと答えてくれてたのかは分からないですけど。 東野 田中さんは何を聞いても響かへんやろ。 河本 目、死んでましたね(笑)。 ――そんなことはないですよ! 河本 いや、そんなことありますよ! 東野 (笑)。田中さんは野球と80年代アイドルと猫しか興味ないから。ほんまにどんどん小っちゃなってきて、おばあちゃんみたいになってきて、どんどん性別を凌駕していって。だから、悩みがあるならあの3人に聞いて、あとは吉本以外で事務所作ったやつ、例えば、さらば青春の光とかに「これからどうしたらいいか」「俺のいいところはどこか」って順番に聞いて回ったらいいんじゃない。 河本 爆笑さんには一応それは聞きました。 東野 何て言ってた? 河本 「お前のいいところは、ない」って。 東野 だから結局河本も、ただそこにいる感じ、何者か分からへんけどそこにフラットにたたずんでるだけで、たまにボソッとしゃべるのが面白いっていうのでいいん違うの。無理して喋る必要もないし。 そういう気持ちで仕事に臨んで、それで仕事がなくなったら「使う側の人が才能ないな」って思ってたらいい。その代わり週末は漫才の営業があるんだから、生活は困らへん。俺なんて別に劇場出てないからさ、そんな仕事のやり方したらおしまいよ。そういう意味でも絶対に河本の方がいいよ。営業っていう保険があるんだから。 河本 たしかにそうですね。営業もいつまであるのかな。 東野 当分あるって。10年、15年はあるんちゃう。っていうかその前に「M-1チャンピオン」っていう肩書があるんだから、営業だってずっとできるし、銀行もお金貸してくれるでしょ。だから、テレビはそんな感じでええんちゃうの。 河本 たしかにそうですね。 東野幸治からの回答②-2「ノートを作って得意ジャンルを見付けろ! 無理をするな! タイタンは優しい事務所だしチャンピオンなんだから悩むんじゃない!」 *** ■河本太(こうもとふとし) タイタン所属。1984年1月25日生まれ。岡山県津山市出身。2008年に同級生の井口浩之とウエストランドを結成。M-1グランプリ2022チャンピオン。リフォーム会社に勤めていた経験から電気工事、配管工事が得意。趣味は登山、キャンプ。 ■東野幸治(ひがしのこうじ) 吉本興業所属。1967年8月8日生まれ。1985年にデビューし、『ダウンタウンのごっつええ感じ』『森田一義アワー 笑っていいとも!』『あらびき団』『行列のできる法律相談所』など、さまざまな番組で活躍。YouTubeチャンネル「東野vs」では自身で撮影・編集も行っている。 取材・文/酒井優考 撮影/山添 太