市場移転問題、小池都知事が基本方針発表(全文1)築地は守る、豊洲を生かす
豊洲市場への築地市場の移転問題で、東京都の小池百合子知事は20日午後3時半から記者会見を開き、市場移転問題についての基本方針を発表した。 【中継録画】市場移転問題 小池都知事が基本方針を会見で発表
築地市場の再開発へ プランまとめる
女性:それでは小池知事の会見を始めます。この場では知事の会見でございますので、政党代表としての質問はご遠慮いただきたいと思います。またこのあとの公務の都合により今日の会見は4時までとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。では知事、お願いいたします。 小池:本日急なお声掛けでございましたが、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。市場移転問題につきまして、本日ご報告がございますので私のほうから冒頭発言させていただきます。まず私は築地市場の再開発を含めます、市場の新たなプランについて都の職員のほうに、まとめるように指示をいたしたところでございます。理由は2つございまして、まず1つ、豊洲市場、これまで約6000億掛けて造られてきたわけでございますが、豊洲ありきで移転後の計画が不十分ではなかったか。そしてこれまでの都政において築地市場を売却して費用の穴埋めをするという計画はありましたけれども、移転後に毎年生じる年間100億円近い赤字にどう対応していくのか。そしてやがて豊洲が老朽化して、先の話ではありますけれども、更新するときの費用をどうするのかといったような点はまだよく吟味されていなかったように思います。 いわば今を生きる人たちを見ているものの、累積する赤字という負の遺産に向き合うことに将来なってしまう。子供や孫たちへの将来の責任、後世のツケに真正面から答えられるような計画がなかったのではないかと、このように考えるからであります。これまで石原都知事が豊洲移転を決定されてから、行政からも、議会からもこのようにロングタームの、明確な計画は聞こえてこなかったように思います。ご承知のように昨年の11月に設定をいたしましたロードマップに従って1つ1つ行政手続きをこれまで踏んでまいりました。そしてせんだって市場のあり方戦略本部を開きまして、そしてさまざまな選択肢、今後の青写真というのが出てきたところでございます。 当初は豊洲市場に移転をして、そして市場の、築地市場の跡地を売却、精算をする案ということでございましたが、今回のあり方戦略本部ではA、B、C、D、いろんな案が出されたわけでございます。まさしくこれまでになく戦略的な市場のあり方、その総点検をしたおかげではないかと、このように考えるところでございます。 築地市場の売却でございますけれども、確かに一時的にはどっとお金が入ってくるということでございますけれども、一昔前のように、箱物つくったら終わり、あとは知らないというような将来世代への付けを残して良いものかどうなのか。私はいけないと思います。そしてまた、これまでのようなたこ足経営に終止符を打って、むしろ東京の戦略的、総合的な発展を必死に考えて、実行していく最後のチャンスになると、このように考えたからでございます。