旧車愛好家の「聖地」で眠る珍しい廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記
オールズモビル・ナインティエイト(1965年)
オールズモビルのフラッグシップモデルは、長い歴史の中で3度、わずかに名称が変更された。1940年に8気筒エンジンを搭載したシリーズ90ということで「98」として発売され、1952年から1991年までは「ナインティ・エイト(Ninety-Eight)」と呼ばれていた。その後、ハイフンが取り除かれ、1992年から1996年までは「ナインティエイト(Ninety Eight)」となった。多少の傷はあるものの、この1965年型4ドア・ハードトップは素晴らしい状態を保っている。
カイザー・マンハッタン(1952年)
この1952年型カイザー・マンハッタンのボンネットがひどく変形しているのは残念だ。それ以外は良い状態に見えるのに。おそらく、3.7L 6気筒エンジンを外した際に損傷したのだろう。 1952年はマンハッタンのデビュー年であり、発売当初はカイザーの主力モデルであった。1955年に同ブランドが米国での乗用車生産を中止した際に、最後の1台がラインオフした。
マーキュリー・モントクレア(1957年)
マーキュリー・モントクレアという車名は、同社のマファ工場にほど近いニュージャージー州の裕福な町にちなんで名付けられたというのが一般的な説である。この1957年型の個体は、当時マーキュリーの中級価格帯モデルであった同車の2代目にあたる。 ホイールベースが122インチ(3099mm)と長めであり、新型のエドセルよりもワンランク上であった。この年に4種類のボディスタイルが用意されたが、中でも4ドア・ハードトップが最も人気があり、2万1156台が販売された。
パッカード・パトリシアン(1955年)
フレンチレイク・オートパーツには1ダース以上のパッカードが在庫として保管されている。1990年代後半には歴史の教科書にしか登場しなかったことを考えると、これは驚くべきことである。この写真の主役は1955年型パトリシアンで、同モデルの最終年に製造された9127台のうちの1台である。
ポンティアック・トランザム(1981年)
ポンティアック・ファイヤーバード・トランザムのボンネットに描かれた象徴的な「スクリーミング・チキン(叫ぶチキン)」のマークは、急速に色あせている。1981年に製造された2代目後期のモデルで、この年は3万3493台しか販売されず、1970年代半ば以来の最低販売台数を記録した。この落ち込みの主な原因は、1982年型としてデビュー予定の新型車への期待感であった。
キャデラック・シリーズ62(1958年)
堂々としたテールフィンが、このキャデラック・シリーズ62は1958年型であると明確に示している。このフィンは印象的であったが、翌年に登場したさらに刺激的なデザインに注目を奪われることになる。1958年型では新しいグリルが採用され、ツインヘッドランプも導入された。
AUTOCAR UK(執筆) 林汰久也(翻訳)