「海が死にそう」能登半島地震後に起きた"異変" 海底からわく気泡… 漁の再開を願う海女
九州大学浅海底フロンティア研究センター 三納(さんのう)正美 准教授 「10~20センチくらいの段差的な地形が連続的に走っているのが見えました」 輪島港の沖約3キロの海底で活断層の可能性がある段差が見つかりました。 菅浩伸 教授 「浅いところは情報がない。やはり市民生活に近いところですから、ぜひ情報を集めて、積み重ねていく必要があると思います」 ■伝統的な福岡の朝食文化にも地震の影響が 能登半島地震は福岡の食卓にも影響を及ぼすかもしれません。 博多の朝ご飯に欠かせない「おきうと」。 原材料の海藻「エゴノリ」は、かつては福岡で採れていましたが、今は東北や能登のものを使っています。中でも、能登の海女が採ったものが一番品質が良い、ということです。 林正之おきゅうと店 西村守也さん 「能登のエゴノリがないと、うちの商品にはなりませんね。海女さんたちが全く漁に出られないということも最近連絡が入りましたし、何らかの形で今がこういう状況だともっと知っていただきたい」 輪島では、エゴノリを乾燥させていた場所に仮設住宅が設置されています。それに加えて、海底に堆積する泥の問題もあります。 輪島の海女漁保存振興会 門木奈津希 会長 「海が死にそう。窒息したみたいになって、海藻もだめになるだろうし、いなくなる」 笹原麻紀さん「泥をかぶって、海藻がもう死んでいく」 ■「やっぱ海好きやってんな」 毎年7月から9月に漁を行なってきた海女。2024年は試験的な漁は行なったものの、環境の変化で漁ができない状況が続いています。 船上の海女 「今こうなって初めて、『やっぱ海好きやってんな』って。嫌々行っていたつもりやったけど」 輪島の海女漁保存振興会 門木奈津希 会長 「当たり前が当たり前じゃなくなった。とりあえず、元の海女漁に早く戻ってほしいです」 海にも残る、地震の爪あと。豊かな海で海女が再び漁をできるのは、いつになるのでしょうか。
RKB毎日放送