AMR25に学びを活かせるか? アストンマーティンF1、今季は“最も苦しい”1年に「開発競争は量より質。我々は性急すぎた」
1年前、アストンマーティンはサンパウロGPでフェルナンド・アロンソが表彰台を届けた。その時、シーズン中盤に苦しんだチームは、2024年シーズンマシンAMR24で再度浮上するための“答え”を導き出したように見えた。 【動画】アイルトン・セナの”愛機”マクラーレン・ホンダMP4/5Bがインテルラゴスを駆ける。ドライバーはハミルトン しかし2024年の状況を見ると、右肩上がりとは行かなかった。今年のサンパウロGPで敗走したアストンマーティンは、ウエットレースでの問題に頭を悩ませ、今季の調子の落ち込みに対する解決策を見いだせないでいる。 おそらく、シーズン序盤にメルセデスと肩を並べていたアストンマーティンにとって最も憂慮すべきは、ドライコンディションではレースペースが最遅の部類だったことだろう。 アロンソは、雨天延期によって日曜日の午前中に行なわれたウエットコンディションの予選で、クラッシュを喫する前に記録したタイムが奇跡的だったことをほのめかしていた。 「僕らは大きなリスクを冒している」とアロンソは言う。 「ドライコンディションでは10番手チームだったのに、予選では2番手……どれだけ僕らが頑張っているのかを示している」 シルバーストンにあるファクトリーで分析を行なったアストンマーティンは、ウエットコンディションでの苦戦、特に決勝のフォーメーションラップでランス・ストロールがクラッシュを喫し、アロンソをレースで悩ませたブレーキトラブルについて、少なくともいくつかの回答を得たようだ。 結論から言えば、予選から決勝に向けてフロアの仕様を変更したことが、アンバランスなマシンの原因になったようだ。 アストンマーティンはサンパウロGPに向けて、鈴鹿仕様のフロアを搭載する予定だったが、予選での2度のクラッシュを経て、ハンガリーGPで投入された仕様にフロアを変更。結果的に、マシンの空力とメカニカルプラットフォームが理想的なモノにならず、リヤタイヤのロックアップを多発することとなった。 これらの問題に対してアストンマーティンはすぐに原因を突き止めたものの、チームが今追い求めているのは、直近ライバルとの相対的なパフォーマンス差に対する解決策だ。