AMR25に学びを活かせるか? アストンマーティンF1、今季は“最も苦しい”1年に「開発競争は量より質。我々は性急すぎた」
フロア交換
アメリカGPで投入された新型フロアから期待されたパフォーマンスが出なかったことを受けて、アストンマーティンはアップデートパーツと旧型パーツを組み合わせ、最適なプラットフォームを見つけようと試みた。 メキシコシティGPでのテストを経て、低速サーキットでは鈴鹿で行なわれた日本GP仕様のフロアが最適であることが判明。アストンマーティンは続くサンパウロGPでも同じ仕様で臨む予定だったものの、予選でのクラッシュによって計画変更を余儀なくされた。 そこでアストンマーティンは、高速サーキットに適したハンガリーGP仕様のフロアに変更。こちらはラスベガスGPやカタールGPでも続けて使用されるようだ。 外から見ると、こうしたフロアのテストは、チームが何をすべきか見つけるのに少し迷っていることを示唆しているように見えるかもしれない。 しかし実際、このプロセスはアストンマーティンが当初から取ってきたものと変わらない。1年前にアブダビで古いフロア仕様を走らせ、どこが進歩したのか、あるいは進歩しなかったのかを十分に理解するために行なったことと大きな違いはないのだ。 アストンマーティンでパフォーマンスディレクターを務めるトム・マッカローは、次のように語った。 「フロアに関して、今年はふたつの主要なフィロソフィーがあり、それぞれ異なるサーキットに合うよう繰り返し使用し、開発してきた。このふたつを行き来している」 「オースティンに持ち込んだフロアは、両方のいいとこ取りをしようとしたモノで、来季に向けた実験的なフロアだった」 アストンマーティンにとって、実際にコース上で劇的な進歩を見せることは重要ではなく、フロアのテストは最終戦まで続きそうだ。その代わりに、ノウハウを増やし、今季期待されたほどの進歩を遂げられなかった原因の学びを2025年のマシンに活かすことを重要視している。 そのためアストンマーティンは、メキシコシティGPのフリー走行では、他チームが週末に備えて行なっていたような典型的なレース想定プログラムではなく、マシンの広域な空力マッピング作業に集中していた。 マッカローは次のように続けた。 「現在のAMR25の開発状況を見ると、事実上、我々が採用したフィロソフィーの進化系であり、風洞ではかなりの進歩を遂げていると思う」 「しかし、これは相対的なゲームだ。(メキシコでの)エアロレーキの相関関係やその他の作業からの学びは、ある意味、そこに反映されていると思う。我々はまだ、コース上で大きな違いをもたらすパーツを投入していない。来年のシーズン開幕がターゲットであることは明らかだ」 ただアストンマーティンは今年、自らが望んでいたようなパフォーマンスを発揮できなかったという事実から目を背けてはいない。 チーム代表を務めるマイク・クラックは次のように語った。 「自分たちの期待に応えることができず、最も厳しいシーズンになった。トップ4チームと戦えるようなマシンを開発し続けるという課題を自分たちに課したが、その野望には届かなかった」 「そのことを素直に受け止めなければならない。この状況を受け入れ、そこからできるだけ多くのことを学び、自分たちが犯した過ちを理解し、前進するためのベストな方法を見つけ出す必要がある」