AMR25に学びを活かせるか? アストンマーティンF1、今季は“最も苦しい”1年に「開発競争は量より質。我々は性急すぎた」
やり過ぎで早すぎた?
アストンマーティンが本当に理解しなければならないのは、2シーズン連続で好スタートさせたものの、他チームがはるかに優れた開発スピードを見せる中、なぜその調子を活かすことができなかったのかということだ。 マッカローはこう語る。 「パフォーマンスは相対的なモノだ。我々は今年、望んでいたような進歩を遂げることができず、(他チームとの)相対的な開発力は不十分だった。そのため、あらゆるサーキットでポイントを獲得するのに少し苦労している」 アストンマーティンは、新しい主要空力パーツを積極的に投入し過ぎ、安定したプラットフォームを構築できなかったという側面もある。これはマクラーレンがシーズンの大半をマイアミGP仕様のフロアで過ごした理由にもつながっている。 「開発の方向性は常に明確であり、それは非常に重要なことだ。ひょっとすると、外部の人々が思っている以上に重要だ」 クラック代表はそう語る。 「しかし、我々が期待していたようなパフォーマンスのステップアップを実現できず、ランスとフェルナンドに十分なマシンを与えることができなかった」 「なぜそうなったのか、そこから得るべき重要な教訓がある。おそらく、サーキットにアップデートを投入することに熱心になりすぎたのだろう。アップデートに次ぐアップデートで要求が絶えず、我々は時に急ぎすぎていた。ここから得られるモノは、量より質ということだ」 実際、2024年シーズンは何がいけなかったのかを見直し、新CEOアンディー・コーウェルや、エイドリアン・ニューウェイ、エンリコ・カルディレの就任を利用して、より多くのフィードバックを開発プロセスに取り込むことが、シーズンオフのチームにとって重要になる。 また、新たなシミュレータと風洞もまもなく稼働を開始し、アストンマーティンが開発をさらに推し進めるのに役立つだろう。 アストンマーティンは2024年シーズンを低調な形で締めくくることになるかもしれない。しかしチームの焦点は2025年に向いている。失敗から学び、未来に活かすことができたかどうかは来年のシーズン開幕戦で明らかとなる。 そして現在シルバーストンのファクトリーで作業が進められているAMR25について、チームは“心強い”進捗状況だという。 「我々が正しい方向に進んでいると確信させるようなことが水面下で起こっている。だから自信がある」 「成功からも失敗からも含めて多くのことを学び、我々は昨年よりずっと良いところにいる。より勤勉になり、より良い方法で目標を立て、より多くの質問が出ることで、期待しているモノと提供できるモノとの間により良い一致を得ることができる」
Jonathan Noble