舛添知事、会見も見送りセレモニーもなし 何も語らないまま21日辞職
政治資金などをめぐる一連の公私混同疑惑で激しい批判を浴びた東京都の舛添要一知事が21日に辞職する。だが21日は公務や登庁の予定はなく、見送りセレモニーも行われない見込み。辞職決定以降、舛添知事は辞任会見を行わず、メディアの問いかけにも応じていない。自分の言葉で疑惑や辞職について語ることのないまま、知事の職を去ることになる。 「対応次第で辞めずに済んだ」 批判拡大させた舛添都知事の“上から目線”
辞任会見も21日の登庁予定もなく
都報道課によると、15日に21日付の辞職が決まって以降、翌日の16日は都庁に登庁、17日は庁外でそれぞれ残務処理を行なったという。20日は再び登庁したが、報道陣への問いかけには無言で応じることはなかった。最終日の21日も登庁する予定はなく、見送りセレモニーは知事の意向で行われない。 当初予定されていた公務も、17日に東京消防庁が救急機動部隊の創設する発隊式があったが16日に欠席が発表され、21日には都の高齢者ら見守り事業に関する2協定の締結式があったが、式自体が延期された。 舛添知事は、辞任会見も定例会見も行う予定はない。毎週金曜日の午後2時からは原則、都庁記者クラブ主催の定例会見が行われるため、クラブ側は先週17日も開催を求めたが、「知事は登庁予定がなく、記者会見にも出席しない」ことが通告された。 15日の都議会最終日には「これ以上、都政の停滞を長引かせることは耐え難い」と辞職する心境を述べたが、この発言はわずか3分弱の型通りのものだった。 社会心理学を専門とする新潟青陵大学の碓井真史教授は、「会見をしなかったのは、格好を付けたかったから。惨めな姿を見せたくなかったのだろう」と語る。そしてタレントのベッキーさん不倫騒動と比較しながら、「舛添さんは結局、世間の怒りの理由が最後まで分からなかった。反省がみられず、なぜ分かってわかってくれないのだろうという態度。ベッキーさん問題も舛添知事問題も、世の中は不倫や公私混同そのものに怒っていたのではなく、その態度に怒っていたのでは。ベッキーさんは途中で方向転換したが、舛添さんはそうはならなかった」と語り、会見などでの“上から目線”対応に世間が嫌悪感を感じたことが批判を加速させたと分析した。