予想外のラストに騒然…ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』が見応えのある”考察ドラマ”になったワケ。最終話レビュー
火9ドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』(フジテレビ系)が放送中だ。反町隆史演じる人情味のある“昭和刑事”と、杉野遥亮演じるクールな“令和刑事”が風化寸前の事件を追うヒューマンミステリーエンターテインメント。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】反町隆史&杉野遥亮が最高だった…貴重な未公開カットはこちらドラマ『オクラ~迷宮入り事件捜査~』劇中カット一覧
指名手配となった飛鷹
最終話を迎えた『オクラ~迷宮入り事件捜査~』。何が正しく、何が間違っているのかを最後まで考えさせられた作品だった。 加勢(中村俊介)を殺害した犯人が、飛鷹(反町隆史)と判明。首都爆破テロを画策する加勢が説得に応じなかったため、やむを得ず飛鷹は自ら手を汚したのだった。許されない犯罪行為を“罪”ではなく“大義”と呼ぶ加勢は、もう飛鷹の声が届かない場所まで来てしまっていたのだろう。 逃亡した飛鷹が捜査一課により指名手配される。「オクラ」に動揺が走るなか、不破(杉野遥亮)だけが飛鷹を信じていた。首都爆破テロ計画と公安部の特殊部隊「HIDE & SEEK」の存在をメンバーに明かし、飛鷹がテロを止めるために逃亡した可能性を伝える。
警察内部にはびこる「HIDE & SEEK」の思想
どんな理由であれ、人を殺すなんて絶対にあってはならない。しかし、飛鷹の大勢の人を救いたい気持ちは信じられると語る倫子(白石麻衣)には、善悪では推し量れない複雑な感情が垣間見えた。「オクラ」は一丸となって、テロ計画の阻止に乗り出すことになる。 その頃、飛鷹はテロを止めるカギとなる加勢のチップのパスワードが“2010 11 13”だと知る。その数字は奇しくも飛鷹、加勢、結城(平山祐介)の3人が“正義”を誓った日だった。 爆弾は、吉岡(前田旺志郎)の母校である橘東高等学校、祈里(青木さやか)が夫を亡くした東京シンフォニーホール、そして警視庁と、いずれも「オクラ」にゆかりのある場所に隠されていた。 メンバーは散り散りになって爆弾を探すが、仲間であるはずの警察官に銃口を向けられ危機的状況に陥る。不破の同期である志熊(有澤樟太郎)も爆弾の解除を妨害する1人で、「HIDE & SEEK」の思想が警察内部にはびこっていることが明らかになった。