50歳以上の男性の5%は”ヤバい”糖尿病にかかっている…あなたは大丈夫?健診票の尿検査を「正しく」読む方法
尿糖が3+は危険かも
健診では、朝一番の尿を採取するのが普通です。ただ前日は夜9時までに食事を済ませることになっていますし、寝る前には大抵のひとがトイレに入るでしょう。そのため食後に尿糖が出やすいひとでも、朝採った尿には、尿糖がほとんど入っていないか、せいぜい+-止まりになると言われています。 尿糖が1+以上のひとは、食後の血糖値が上がりやすく下がりにくいか、すでに糖尿病に罹っていてずっと血糖値が高い状態にある可能性があります。空腹時血糖値やHbA1cにも異常が出ていれば、糖尿病が進んでいる可能性もあります。いずれにしても、健診結果には「要精密検査」「再検査」などと書かれるはずです。 表26は令和3年度(2021年度)の東京都の特定健診の結果です。 50歳以上の男性で、3+が約4パーセントから5パーセント近くいるのが気になります。尿糖が3+のひとは、1日の平均血糖値が300を超えている可能性があると言われています。治療を始めないと、重い合併症を患うことになるかもしれません。すぐに糖尿病内科や内分泌内科を受診するべきです。
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)