茨城県行方市が「さつまいも課」設置…市町村別の産出額は全国3位、でも知名度低く「名を上げたい」
全国有数のサツマイモの産地である茨城県行方(なめがた)市は、市役所や農協、生産者に対する企業などの問い合わせにワンストップで対応する「さつまいも課」を27日に設置した。といっても、庁内に実在する部署でなく、関係者らで作る地域振興チームの名称だ。「サツマイモと言えば行方」という認知を広めることで商品開発や事業を展開したい企業の相談に応じやすくし、ブランド力の向上につなげたい考えだ。(寺倉岳)
「焼き芋やサツマイモのスイーツがブームだ。生産地としても農業従事者の所得を向上させ、地域の名前を上げていきたい」。鈴木周也市長は27日の定例記者会見で意気込みを語った。
この日、さつまいも課の特設ホームページを開設し、問い合わせ先を一本化。メンバーはサツマイモに関わる全ての人で、市や農協の職員ら約50人が中心となる。
市によると、サツマイモについては、2023年の県の作付面積は7730ヘクタールで全国2位。そのうち行方市は約1000ヘクタールに上る。22年の行方市の産出額は86億8000万円で、全国の市町村別では茨城県鉾田市(154億3000万円)、千葉県成田市(90億2000万円)に次ぐ3位という。
だが、サツマイモは九州が産地とのイメージが強く、全国でもトップクラスの生産量を誇る行方市の知名度は低い。こうした課題を解決するため、市はプロジェクトチームを設置し、「サツマイモに特化した自治体」を目指すことにした。
同課は啓発イベントなど各種事業も展開する。来年には、焼き芋に詳しい生産者やメーカーの担当者らを集めた「焼き芋サミット」を開催する予定だ。国内の主要飲料メーカーと組んで商品開発をしたり、JRと連携して販売したりするプロジェクトも進行中という。
鈴木市長は「インパクトのある名称で、積極的に活動していく。皆様に認知していただき、盛り上げていきたい」と意気込んでいる。