秋保温泉の渓谷美と伊達文化!豊かな山海の恵みを堪能できるグルメ旅
名取川の渓流沿いに建ち、自然に囲まれた宿「界 秋保」へ
本日のお宿は、2024年4月にオープンした「界 秋保」へ。秋保ワイナリーから車で約6分。JR仙台駅からは「仙台西部ライナー」で約33分、宿の前に停車するバスが出ています。ロビーに一歩足を踏み入れてびっくり。大きな窓の外一面には深い緑のグラデーションが広がり、それに呼応するように野外と一体化した優しいグリーン系のインテリアがナチュラルで寛いだ雰囲気を醸し出しています。 さらに客室は、まるで1枚の絵画のように風景を切り取った窓に目を奪われる「紺碧の間」。磊々峡がかつて「紺碧の深淵」と表現されたことから着想を得ているのだとか。新緑、紅葉、雪景色など、四季折々の鮮やかな自然の風景が窓の外に広がって、いつまで眺めていても飽きることがありません。 仙台ガラスや白石和紙など、宮城の工芸品も随所に使われており、アートとして楽しめる客室です。 秋保温泉の歴史は古く、1400年以上昔から存在していたといわれます。当時の天皇が病を癒したという話も残っており、昔から全国的に名の知れた温泉でした。江戸時代には多くの旅行客が訪れるようになり、庶民にも親しまれていたそうです。 「界 秋保」の大浴場は、渓流のせせらぎに耳を澄ましながら、自然に囲まれて癒される露天風呂と、内湯が2つ。敷地内の2本の源泉を引いた自家源泉かけ流しの「あつ湯」と、のんびり長湯できそうな「ぬる湯」があります。 泉質は「ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉」。湯冷めしにくく、体が芯から温まるので冷え性によいといわれています。肌に優しく、すべすべの感触があり、美肌の湯であることもうれしい特徴です。
伊達の粋を感じながらいただく御膳スタイルのディナー
さて、いよいよ夕食の時間です。先付けがなんと脚付きのお膳で登場しました。これは伊達政宗公にちなんだ大名スタイルの「新伊達会席」。牛テールと仙台味噌をリエットにし、仙台麩に付けていただきます。 思わず頼んでしまったビールは、2024年1月に名取川沿いにオープンしたGreat Dane Brewing(グレート・デーン・ブリューイング)の「秋保温泉ビール 湯上がりピルスナー」!秋保温泉旅館組合とのコラボビールなんだそうです。先付けにベストマッチです。 「宝楽盛り」もお膳で出てきました。東北で親しまれるホッキ貝が酢の物で登場。お造りは、なるべく旬の地のもので上質なものを用意するそうで、この日はホタテとメカジキが宮城産とのことでした。仙台の味噌醤油蔵、今野醸造の吟醸醤油を付けていただきます。 ちなみに宮城県は日本酒がおいしいことでも知られています。メニューには地元の日本酒がずらり。究極の食中酒といわれる伯楽星の「純米大吟醸 山田錦」、まろやかで生酛が苦手な人も飲みやすい日輪田の「生酛純米 雄町」、爽やかでキレの良い「浦霞 純米吟醸No.12」など、それぞれ個性ある3種のお酒を飲み比べで楽しみました。 そしていよいよメインの鍋もの「牛の山海俵鍋(さんかいたわらなべ)」です。牛テールを使った出汁を温め、黒トリュフを入れて香り付けするというちょっと贅沢なオリジナル鍋。 ご用意いただいたのは牛ロースと牛タン、さらにウニ醤を巻いた牛ロース!ウニと牛肉って合うんですね。野菜は長ネギ、ごぼう、仙台のセリ。しゃぶしゃぶのように、さっと出汁にくぐらせていただきます。トリュフが入っていることで、一層複雑みのある深い香りがまとわれ、そこにウニが追い打ちをかけ、何かもう、胃袋が本能的に欲しがってしまう、めくるめくような味わいでした。 食後は部屋を移動して「ご当地楽」に参加。金色の太陽をイメージした縁起の良さそうな部屋で「伊達な宴」が始まります。 伊達政宗は粋な文化人だったそうで、酒席の心得も大切にしていたといいます。また、城内の一角で酒造りを行なったというほどの酒好きだったそうです。ここでは私たちも陣羽織風の衣装を羽織って、スタッフさんにご説明をいただきながら、伊達政宗にちなんだエピソードを教えてもらい、武士のやり方で乾杯を行うなど、武士を疑似体験。同席したみなさんともいつの間にか仲良くなって会話が弾み、楽しい時間を過ごせました。
今回宿泊した温泉宿はこちら:界 秋保
名取川の美しい渓谷と豊かな自然に包まれる宿「界 秋保」。仙台藩初代藩主である伊達政宗公のもたらした文化を随所に取り入れた、粋で斬新なおもてなしを楽しめます。 足湯付きのテラスや、毎夜開かれる楽器の生演奏、地元のドリンクやお菓子を楽しめる「せせらぎラウンジ」も見逃せません。「70歳以上限定『温泉めぐり 界の定期券』」の対象施設の一つとして、シニア女性にも人気の温泉宿です。 界 秋保 ●住所:〒982-0241 宮城県仙台市太白区秋保町湯元平倉1番地 取材協力:星野リゾート 文・写真:江澤香織 編集:鳥居史(ハルメク365編集部)
ハルメク365編集部