【高校サッカー】新たな歴史を作った山形明正 創部以来初の全国大会へ
今年で102回目の開催となる全国高校サッカー選手権大会。山形県からは、創部以来初の決勝進出を果たした山形明正が、勢いそのまま決勝戦に勝利し、初の全国大会進出を決めました。今回は、山形県のサッカー史に新たな1ページが刻まれることとなった、山形県大会決勝を振り返ります。 ◇ ◇ ◇ これまでの選手権山形県大会ではベスト8が最高成績だった山形明正。準決勝も激闘となりますが、延長後半に劇的な勝ち越しゴールを決め、初めて決勝へと駒を進めてきました。対するは、山形県内では「絶対王者」との呼び声も高い、羽黒。おととし、昨年と全国大会へ進出し、今年は3連覇のかかる一戦です。 両校は今年のインターハイ山形県大会決勝でも相対しており、その時は僅差で羽黒が勝っています。 山形明正、羽黒はともに、自分たちでボールを持って、パスをつないで相手ゴールに迫っていく、いわゆるポゼッションを高めて戦っていくスタイル。山形明正は、抜群の得点感覚を誇る、2年生エースの仲村渠(なかんだかり)健選手が攻撃の鍵を握ります。 一方の羽黒は、センターバックながら10番を背負う、主将の小西謙吾選手が、攻守ともに存在感を示し、安定感のある戦いぶりで勝ち上がってきました。 3連覇を狙う「絶対王者」羽黒に、初の決勝進出となった山形明正が挑む構図となった決勝戦でしたが、先手を取ったのは、挑戦者・山形明正でした。 前半13分、決勝戦でスタメンを掴んだ、2年生の丸山来寿選手が、右サイドを突破し、左足でクロスを供給。ファーサイドから飛び込んだ仲村渠健選手が高い打点のヘディングシュートを決め、山形明正が先制します。 その後は両チーム好機を作りますがスコアは動かず、試合終了間際には、羽黒はセンターバックの小西謙吾選手を前線に投入。攻撃の圧を高めますが、山形明正のゴールキーパー・酒井淳平選手が好セーブを連発し、最後まで得点を許しませんでした。結果は1-0で山形明正が勝利。創部以来初の全国大会進出を決めました。 試合後、主将の松田海生選手は「受け身にならず、チャレンジャー精神で臨めた。全国大会でも、自分たちらしく、ゴールへ向かっていきたい」と決意を語りました。 チームを率いる石原和実監督は「やっとここまで来た。山形明正の礎を作ってくれた、卒業生たちの想いも合わさって、この結果になったと思う」と、喜びをかみしめていました。 初の全国大会進出となる山形明正高校が、どんな風を吹かせてくれるのか。初戦は、鳥取県代表の強豪・米子北との対戦で、12月29日に行われます。 (取材・文:高校サッカー選手権民放43社/山形放送)