「ビビデバ」「錠剤」のMVなど実験的なアニメを制作。日本のカルチャーを世界へ:しまぐちニケ
8月23日発売のForbesJAPAN10月号では、次世代を担う「30才未満の30人」を選出する「30 UNDER 30」を発表した。本記事では、30人の受賞者のなかから、ENTERTAINMENT部門に選出された「擬態するメタ」のしまぐち ニケを紹介する。 FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2024 「世界を変える30歳未満」30人 アニメーション演出やキャラクターデザインの才能を生かし、MVやCMなどを手がけるしまぐち ニケ。2022年からは映像作家のBiviとのユニット「擬態するメタ(ギタメタ)」としても活動し、SNSで話題になった「POKÉDANCE」のアニメーションMVや、VTuber史上最速の16日間で1000万回再生を記録した「ビビデバ」(星街すいせい)のMVなど、ヒット作を生み出してきた。 「クレイジー」「とがってる」という言葉で表現されることも多いギタメタ。与えられたテーマから自由に発想し、技法や常識にとらわれない実験的な作品を制作してきた。例えば前述の「ビビデバ」や、ヨルシカが7月にリリースした「忘れてください」では、実写とアニメをかけ合わせて楽曲のイメージを表現。TVアニメ「チェンソーマン」のエンディングテーマ「錠剤」(TOOBOE)のMVでは、作品性を追求するあまり18歳未満への視聴制限をかけられる結果となった。 アニメーターを志し、新卒でアニメスタジオに就職したしまぐちは「もっと自由につくる道もあるのでは」と、1年で独立。SNSへの投稿がきっかけで、アーティストのMVやCMなどを手がけるようになった。現在は、これまで培ったメソッドを使って、より自由度の高い作品をつくっていきたいフェーズ。 「アニメは世界的に影響力のあるコンテンツなので、可能性を感じています。大きな仕事を任せてもらえるよう、多くの仲間を巻き込みつつ、自分たち自身も大きくなりたい」 しまぐち・にけ◎1995年生まれ。新卒でアニメスタジオに就職し、独立後はユニット「擬態するメタ」で活動。MVや企業広告を中心に、独自の世界観かつ既存の技法にとらわれない実験的な表現を得意とする。YouTubeにアップされた作品には海外からのコメントも多い。
Forbes JAPAN | magazine