入学半年で広島商の4番に 公式戦初本塁打で31年ぶり中国大会優勝
(4日、第143回秋季中国地区高校野球大会決勝 広島商6―3米子松蔭) 「仲間がチャンスを回してくれる。自分は打点を稼ぐだけ」。4番打者の役割を、そう語る。 【写真】米子松蔭―広島商 一回裏、広島商・名越が左越えに先制の2点本塁打を放つ。捕手惣郷=2024年11月4日、島根県立浜山、大野宏撮影 一回裏2死二塁。早くも見せ場が回ってきた。広島商の名越貴徳選手(1年)は、甘い変化球にバットを思い切り振り抜いた。打球はぐんぐん伸びて左翼席に。幸先良く2点を先制した。 入学半年で思い切りのいい打撃を買われ、伝統校の4番に座る。荒谷忠勝監督は「バットを振っていれば幸せという子です」と言う。 無安打に終わった前日の準決勝後、宿舎で素振りを重ねた。「相手の球を想像しながら、ライナーを打つよう意識した」。そうした努力が、決勝での公式戦初本塁打に結実した。「野球の神様が味方してくれたのでは」と荒谷監督。 この日は4打数2安打3打点と、得点の半分を自身のバットで稼いだ。チームは31年ぶりの中国大会優勝を決め、20日開幕の明治神宮大会に出場する。春の選抜出場も有力視される。名越選手は「選球眼を鍛えて、広島商の4番にふさわしい、チャンスで必ず打てる打者になる」と力を込めた。(遠藤花)
朝日新聞社