有薗直輝(千葉学芸高・内野手兼投手) 千葉に潜む規格外の長距離ヒッター【ドラフト逸材クローズアップ】
高校通算45本塁打に、投げては最速143キロと、高いポテンシャルを誇る。2000年野球部創部の千葉学芸高は春夏を通じて甲子園出場がなく今夏、悲願に挑戦する。21年にドラフト指名を目指す、逸材選手の新連載をスタートする。 取材・文=上原伸一 写真=桜井ひとし 気は優しくて、力持ち。千葉学芸高の有薗直輝はそんなフレーズがしっくりくる長距離砲だ。体のサイズはすでに超高校生級。185センチ95キロ。112センチの胸板は分厚く、太もも周りは72センチもある。恵まれた体躯(たいく) から放たれた高校通算アーチはすでに45本塁打(昨年11月末時点)。自校のグラウンド練習では、両翼93メートルあるフェンス越えは当たり前。しばしばフェンスの約30メートル後方に流れている川に打球が飛び込むほどのパワーの持ち主だ。 規格外の飛距離を発揮している有薗だが、そのポテンシャルは打撃だけにとどまらない。投手としての最速は143キロ。スライダー、カーブなど4種類の変化球も織り交ぜる。2年秋には背番号1を背負った。守っても、三塁、外野をそつなくこなす。足も50メートル走6秒5と俊敏で、盗塁も仕掛ける。同校を率いる高倉伸介監督は「スカウトの方からは長打力があるだけでなく、投げて、守って、走れてと総合力があるところを評価してもらっています」と、有薗の能力を明かす。 卓球の元国体選手を母親に持つ有薗は、幼少時から運動センスが高かった。小学1年で野球を始めると、3年時には上級生に交ざってチームのレギュラーに。6年時にはロッテJrのメンバーに選ばれた。中学では高いレベルでのプレーを望み、全国屈指の強豪として知られる佐倉シニアへ。千葉学芸高では・・・
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週刊ベースボール