クリスマスローズ、株分けする?しない?大株栽培に関するみなさんからのお悩みに追加回答!
【お悩み3】大きな地植えの株、この先どうしよう?
株がどんどん大きくなってきて、密集しすぎてどうしていいのかわかりません。株分けをしないで、このまま育てても大丈夫なのでしょうか? 宮城県/ふみりーさん(栽培歴2年)
【風通しを確保しましょう】 たくさんの株がみごとに咲いていますね。場所も気に入っているようで、すばらしいと思います。地植えのクリスマスローズは株分けしないと弱ってくる、ということはほとんどありません。このまま楽しんでいただいて大丈夫です。ただ、風通しが悪くなると高温多湿の時期に蒸れて株が弱ったり、病気が発生することがありますので、適宜、葉を切って間引きし、風通しを確保しましょう。また、開花の前までには中央のタケノコ状の花芽のみを残して古い葉をすべて切り戻し(古葉切り)て、花芽に十分日が当たるように工夫してください。そうするとよい花が咲きます。なお、株は劣化してくると「花つきが悪くなる」「葉色が黄ばんだり、さえない色になる」「葉が小さくなる」などのサインが出ます。このようなときは植えなおしたり、株分けすることも検討しますが、そうならないかぎりは無理に掘りおこす必要はありません。みごとな株を存分にお楽しみください。
【お悩み4】葉が大きくなりすぎた株、株分けしたほうがいい?
葉が大きくなり過ぎて、花が葉にかくれて見ばえがよくありません。株分けしたほうがいいでしょうか? 北海道/トマトさん(栽培歴10年以上)
【古葉切りをおすすめします】 葉が大きくなり花が見えない原因は主に以下の2つが考えられます。 ①個体が古い 10年以上前はまだあまり選抜されていない「葉が大きすぎる」「花が咲きにくい」「花の位置が低い」株もたくさん流通していました。近年は選抜が重ねられた結果、そのような株は減り、葉の大きさや花つきや株姿なども安定してきています。 ②肥料の与えすぎや土壌が肥沃 クリスマスローズに、油かすやたい肥などのチッ素分が多い肥料をたくさん与えすぎると葉が肥大してしまうことがあります。また、市販の化成肥料なども多く与えすぎると株が徒長したり、葉が肥大する傾向があります。とくに花後は新葉がいっせいに芽ぶき一気にのびる時期ですから、お礼肥は軽めに、与えすぎないようにしましょう。 これらの対策のひとつとして、【お悩み3】の回答と同様に、株分けよりも「古葉切り」を行うとよいのではないでしょうか。クリスマスローズの葉は花が咲き終わるころ(春~初夏)に出てきて常緑のまま翌年も残りますが、この葉を冬にすべて切ることで、葉にかくれず花が咲くので見ばえがよいという利点があります。これで様子を見てはいかがでしょうか? 株分けや植えなおしは株が劣化したときに行うものとお考えください。 荻原範雄(おぎはら・のりお) 長野県上田市で宿根草専門店「おぎはら植物園・上田店」を営む。国内の育種家や生産者、海外からの最新品種など、数多くのクリスマスローズを扱い、栽培や販売歴は25年ほど。『おぎはら流 がんばらなくても幸せな庭 宿根草のナチュラルガーデン』(NHK出版)など著書多数。 ●『趣味の園芸』2024年2月号「めざせ100輪! 鉢で庭で大株に」ウェブ限定!趣味の園芸テキストこぼれ話 後編より